手拭い 週末がようやく訪れた。夏の夜はどうしたって人間の素直な欲望が、滾って仕方無く。
それは愛し合う宇髄天元と煉獄杏寿郎にもいえることであった。
荒い息遣いが寝室に響く。
その先を強請るように蠢く指先が愛おしくて、思わずそれを甘く噛むが、恐らくその恋人はそれで満足しないだろう。
「まだ……君が……ナカに……」
「気持ちよくて蕩けそうだよ…煉獄……」
達しきって体の最奥の蠢きが止んだものの、その存在感に満足する愛しい人の蕩ける表情をいつまでも眺めていたい。
宇髄は空調の効く中でも快感を発して、恋人が全身で発汗することを知っていた。
平日には何かと必要な少量の水分。週末にはイオン飲料と五本以上の濡れた手拭いを入れて用意しておく、小ぶりの冷蔵庫を寝室に置いた。
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