LOVE_ROSE_MEE
DOODLE他人設定兄上=神様
千くん=人間
いつもの私だけか楽しいやつ。最初の方はモブも沢山でます。
多分夏頃書き始めたんでしょうね……溜まったメモ帳のネタ整理中に発掘したので完成させました。因みに誕生日は全く関係ないです!! 4280
kirye
SPUR ME現パロ、他人設定の杏千小説。苦学生千くんと、ホストな兄上の恋物語です。
まだ半分ですが、書き上げるための尻叩き用として…
捏造しかないです。柱男子オールキャストでお送りしてます。 8749
桜庭🌸
DONE杏千 / 原作軸1/7インテックス大阪、1/28東京ビッグサイトのイベントで頒布した無配コピ本✨
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「……お、お正月くらい、家族みんなで過ごしたいんです……」
正月恒例行事は、今年も兄弟ので行われた。元日に一つ年を重ねた千寿郎の身長を、柱に刻む杏寿郎。しかし杏寿郎のそれは柱に刻まれていないと知った千寿郎は父の自室に向かって──。
せいくらべ 千寿郎は忙しなくはたきを動かしていた。
兄から、大晦日から元日にかけての夜中に家に戻り、丸一日家で過ごせそうだという報せがあったのだ。父と自分、それから母の仏壇に供えるお雑煮とおせちがあればいいと思っていたのだが、兄が食卓にすわるとなれば話は別だ。兄は大食漢なのだ。
さっそく厨に駆ける。ふわりと出汁の香りが濃くなった。くつくつと煮込まれているれんこんや里芋、豆が、割烹着を着た女中に世話されている。味見をしてうなずくうれしそうな横顔に、「倍量でお願いしまう」ということもできず、千寿郎は押し黙った。後ろから別の女中がやってきて、「坊ちゃん、どうしたのですか」と目を丸くした。煮物の味つけを終えて去った千寿郎がそこにいたことに驚いたのだ。
8017兄から、大晦日から元日にかけての夜中に家に戻り、丸一日家で過ごせそうだという報せがあったのだ。父と自分、それから母の仏壇に供えるお雑煮とおせちがあればいいと思っていたのだが、兄が食卓にすわるとなれば話は別だ。兄は大食漢なのだ。
さっそく厨に駆ける。ふわりと出汁の香りが濃くなった。くつくつと煮込まれているれんこんや里芋、豆が、割烹着を着た女中に世話されている。味見をしてうなずくうれしそうな横顔に、「倍量でお願いしまう」ということもできず、千寿郎は押し黙った。後ろから別の女中がやってきて、「坊ちゃん、どうしたのですか」と目を丸くした。煮物の味つけを終えて去った千寿郎がそこにいたことに驚いたのだ。
kirye
MAIKINGあと少しで仕上がるけど、不安しかないので書きかけを試験的にアップ。大正軸で、サイコパスな兄上のお話。
弟だけしか愛せない兄の狂気と純情。
父上と瑠火さんも出ます。
こんなのだけど、なんとハピエン設定。
支部ではマイピク限定公開にするかも…
動物の死の描写、血などの残酷表現があります。
少しでも苦手に思われる方は、どうぞ閲覧をお控え願います。 5139
杏千リレー
DONE⑤杏千リレー小説・京都編・二日目・2ここからはXに掲載していないものになります
更新は遅くなる事もありますので、のんびり待って頂けたらと思います
R18表現がある時はパスワードを設けます
18↑ですか?(y/n) 英小文字・3文字 8497
杏千リレー
DONE④杏千リレー小説・京都編二日目・1④杏千リレー小説<京都編・二日目・1>「うわぁ、やっぱり高い……!」
本堂への参拝を終えた二人は、かの有名な清水の舞台へと上がっていた。四階建てビルの高さにも匹敵するその場所から見る風景は圧巻で、千寿郎は欄干に身を預けて、秋の京都に見惚れた。広い空間にはまだ人も疎らで、まるでこの舞台を二人占めしているような気分になる。
「美しいな。秋の京都が一望できる」
「ええ」
紅葉の向こうに見える古都の街並みは、百年、いやもっと古い歳月を残していて、千寿郎の胸に遠い郷愁を誘った。そんな弟の様子を見て、杏寿郎は欄干の上に乗せられた手に自らの手を重ねた。千寿郎はそっと兄の顔を窺い見る。すると杏寿郎は優しく目を細めたが、何も言わなかった。そのまま目を閉じて、穏やかな時間を受け入れる。視界を遮断してしまえば古都の匂いが、秋風の感触が、兄の体温が。より一層濃く感じられた。
13628本堂への参拝を終えた二人は、かの有名な清水の舞台へと上がっていた。四階建てビルの高さにも匹敵するその場所から見る風景は圧巻で、千寿郎は欄干に身を預けて、秋の京都に見惚れた。広い空間にはまだ人も疎らで、まるでこの舞台を二人占めしているような気分になる。
「美しいな。秋の京都が一望できる」
「ええ」
紅葉の向こうに見える古都の街並みは、百年、いやもっと古い歳月を残していて、千寿郎の胸に遠い郷愁を誘った。そんな弟の様子を見て、杏寿郎は欄干の上に乗せられた手に自らの手を重ねた。千寿郎はそっと兄の顔を窺い見る。すると杏寿郎は優しく目を細めたが、何も言わなかった。そのまま目を閉じて、穏やかな時間を受け入れる。視界を遮断してしまえば古都の匂いが、秋風の感触が、兄の体温が。より一層濃く感じられた。
杏千リレー
DOODLE③杏千リレー小説・京都篇・一日目・3③杏千リレー小説<京都編・一日目・3>烏丸口から徒歩で数分ほど歩いただけで、千寿郎は別の時代に来たと思った。
目の前に佇む、くすんだ色の暖簾。そこに文字は一切なく、ただ、木製の格子戸の脇に小さな名札めいた看板がある。その毛筆は掠れ、古びていて、年代を示さずとも老舗の貫録を醸し出していた。
「ひ、弘くん……ここ……」
わなわなと千寿郎が旧友を振り返る。回らない寿司店と聞いていたから、それなりの店だと覚悟はしていたが、次元が違う。すると、その反応が想定内だったのか、弘が悪い笑みを見せた。
「すごいだろー。でも、こう見えて意外とリーズナブルなんだ。観光客にはあまり知られてないし、地元の人が昔から通っている店だから」
「そうなのか! だが非常に趣がある! 不死川少年は目が肥えているな!」
11147目の前に佇む、くすんだ色の暖簾。そこに文字は一切なく、ただ、木製の格子戸の脇に小さな名札めいた看板がある。その毛筆は掠れ、古びていて、年代を示さずとも老舗の貫録を醸し出していた。
「ひ、弘くん……ここ……」
わなわなと千寿郎が旧友を振り返る。回らない寿司店と聞いていたから、それなりの店だと覚悟はしていたが、次元が違う。すると、その反応が想定内だったのか、弘が悪い笑みを見せた。
「すごいだろー。でも、こう見えて意外とリーズナブルなんだ。観光客にはあまり知られてないし、地元の人が昔から通っている店だから」
「そうなのか! だが非常に趣がある! 不死川少年は目が肥えているな!」
杏千リレー
DONE②杏千リレー小説・京都編・一日目2②杏千リレー小説<京都編・一日目・2>「千寿郎?」
伺う声と共に、ラバトリーの鏡に杏寿郎が映り込んだ。
「あ、兄上、お待たせしてすみません。時間がありませんよね」
千寿郎は慌ててTシャツを整え、しおりのタイムスケジュールを思い出した。この後は、嵐山まで電車での移動が控えている。いつまでも、ここに居る訳にはいかない。
「焦らなくて良い」
扉を開けてここから出ようとした千寿郎を、杏寿郎の手がそっと制する。
「今日は暑いから、また汗をかくだろう。これを着てはどうだろうか?」
杏寿郎が差し出したのは、ファストファッションの店で売られている速乾性のインナーだった。未開封のパッケージに、千寿郎は目を丸くする。
「もしかして今、買って来てくれたんですか?」
「ああ。丁度、駅ビルの中に店があったんだ。色は白にしたが、好みでなかったらすまない」
11443伺う声と共に、ラバトリーの鏡に杏寿郎が映り込んだ。
「あ、兄上、お待たせしてすみません。時間がありませんよね」
千寿郎は慌ててTシャツを整え、しおりのタイムスケジュールを思い出した。この後は、嵐山まで電車での移動が控えている。いつまでも、ここに居る訳にはいかない。
「焦らなくて良い」
扉を開けてここから出ようとした千寿郎を、杏寿郎の手がそっと制する。
「今日は暑いから、また汗をかくだろう。これを着てはどうだろうか?」
杏寿郎が差し出したのは、ファストファッションの店で売られている速乾性のインナーだった。未開封のパッケージに、千寿郎は目を丸くする。
「もしかして今、買って来てくれたんですか?」
「ああ。丁度、駅ビルの中に店があったんだ。色は白にしたが、好みでなかったらすまない」
杏千リレー
DONE①杏千リレー小説の京都編ですX(旧Twitter)にて掲載していたもののを、再度掲載しています
続きも今後はこちらにアップします
気になりましたらフォロー、宜しくお願い致します
①杏千リレー小説<京都編・一日目・1>「……よしっ! できた!」
大学生になって初めての夏休みも、ついに明日で終わりを迎えるという、まだ残暑厳しい九月の初旬。
煉獄千寿郎は椅子から立ち上がってカレンダーを一瞥すると、ベッドの上へと盛大に身を投げ出した。外は今日も三十度を超えているというが、高台にある築三十年のこのアパートは、窓という窓を開け放てば風が吹き抜けてずいぶん涼しい。
ベッドの上で仰向けになっていると、集中して汗ばんだ身体を風がさらっていく。窓から見上げる空は、眩しいくらいの青だ。その青の中を、一匹のツクツクボウシがどこからか飛んできて、窓枠に止まると軽快な鳴き声を上げ始めた。
千寿郎はしばらく目を閉じて心地良い疲労感に浸っていたが、鳴り出したスマートフォンに、気怠げに腕を伸ばす。
11579大学生になって初めての夏休みも、ついに明日で終わりを迎えるという、まだ残暑厳しい九月の初旬。
煉獄千寿郎は椅子から立ち上がってカレンダーを一瞥すると、ベッドの上へと盛大に身を投げ出した。外は今日も三十度を超えているというが、高台にある築三十年のこのアパートは、窓という窓を開け放てば風が吹き抜けてずいぶん涼しい。
ベッドの上で仰向けになっていると、集中して汗ばんだ身体を風がさらっていく。窓から見上げる空は、眩しいくらいの青だ。その青の中を、一匹のツクツクボウシがどこからか飛んできて、窓枠に止まると軽快な鳴き声を上げ始めた。
千寿郎はしばらく目を閉じて心地良い疲労感に浸っていたが、鳴り出したスマートフォンに、気怠げに腕を伸ばす。
LOVE_ROSE_MEE
PASTイベントで頂いたお手紙にこのお話しが好きってお言葉を頂戴しましたので再掲しました!有難う御座います✨『後始末はお任せ下さい』軸の杏千エロ。
炭治郎が炎柱の継子になる前のお話です。モブの隠が序盤にチラッと出てます。
全体的にテーマが重い設定なので少しでも苦手な方はご注意を。 10624
lilycottasuki
MENU2023年11月25日、うちれん6開催おめでとうございます!遅くなりましたがお品書きの展示品です。
11月11日のポッキーの日に間に合わなかったものですがせっかくなのでこちらで、、
杏千♀(千くん先天性女体化)、全年齢です。
*お互いに独占欲強いのも良いなと思う杏千♀
モブにひっそりマウントを取る千寿ちゃん。
お付き合い済、千寿ちゃんJC
ポッキーゲーム「煉獄千寿さんだよね、ちょっとお話してできる?」
放課後、教室を移動しようとして扉を開けると、待ち受けていた高等部の女子生徒数人に囲まれた。またか、と心の中で小さなため息をついて振り返る。千寿にとっては時々訪れる風景だ。
用件は皆一緒──同じ学園で教鞭を取る兄、杏寿郎のこと。明朗闊達で爽やかな好青年、老若男女誰とでも分け隔てなく話ができる兄は、よくもてる。他校の女生徒から声をかけられたこともあるくらいだ。ファンクラブがあるとかないとか、学園内の有名人である杏寿郎を兄としている以上、降りかかるあれやこれやは千寿には避けられないものであった。彼女はいるのかに始まり、手紙を渡して欲しいだの、プライベートを教えて欲しいだの。教師ではなく一人の男性としての姿をあの手この手で聞き出そうとしてくる。マスコミの相手をする芸能人もこんな感じなのだろうか……心の中では辟易としつつ「煉獄先生の妹」という立場で兄の評判を落とすことはあってはならない。ただ千寿も内心は複雑だった。何が悔しくて自分の恋人の情報を根掘り葉掘り聞こうとする者の相手をしなければならないのか。
3078放課後、教室を移動しようとして扉を開けると、待ち受けていた高等部の女子生徒数人に囲まれた。またか、と心の中で小さなため息をついて振り返る。千寿にとっては時々訪れる風景だ。
用件は皆一緒──同じ学園で教鞭を取る兄、杏寿郎のこと。明朗闊達で爽やかな好青年、老若男女誰とでも分け隔てなく話ができる兄は、よくもてる。他校の女生徒から声をかけられたこともあるくらいだ。ファンクラブがあるとかないとか、学園内の有名人である杏寿郎を兄としている以上、降りかかるあれやこれやは千寿には避けられないものであった。彼女はいるのかに始まり、手紙を渡して欲しいだの、プライベートを教えて欲しいだの。教師ではなく一人の男性としての姿をあの手この手で聞き出そうとしてくる。マスコミの相手をする芸能人もこんな感じなのだろうか……心の中では辟易としつつ「煉獄先生の妹」という立場で兄の評判を落とすことはあってはならない。ただ千寿も内心は複雑だった。何が悔しくて自分の恋人の情報を根掘り葉掘り聞こうとする者の相手をしなければならないのか。
こみや
DONEうちれん陸展示不思議な木と千寿郎くん
ケサランパサランの木 ふわふわと、千寿郎の前を真白の綿毛が横切った。
初夏の抜けるような青空によく映える拳大のそれに、千寿郎の心はひとたびかかりきりになった。
たんぽぽかな。それにしては大きいな。そよぐ風に再びさらわれないよう両の手のひらで迎え、顔を近づけてみる。種のようなものは一見窺えないが、埃などとは思えない。きっと綿毛の真ん中に種を抱えていて、辿り着いた地で花を咲かすのだろう。そう算段をつけた。
ならば改めて旅立ちへと送ってやるべきか。考えた末、庭の隅の、ほんの少し日が当たる場所にそれを埋めた。父が気付いたら咎められるだろうか。そんな不安も過ったが、そもそも芽が出るかは半々、育つかも半々。どうにかなるだろうと千寿郎は、密かに愛らしい双葉の芽生える様を思い描きながら眠りについた。
7294初夏の抜けるような青空によく映える拳大のそれに、千寿郎の心はひとたびかかりきりになった。
たんぽぽかな。それにしては大きいな。そよぐ風に再びさらわれないよう両の手のひらで迎え、顔を近づけてみる。種のようなものは一見窺えないが、埃などとは思えない。きっと綿毛の真ん中に種を抱えていて、辿り着いた地で花を咲かすのだろう。そう算段をつけた。
ならば改めて旅立ちへと送ってやるべきか。考えた末、庭の隅の、ほんの少し日が当たる場所にそれを埋めた。父が気付いたら咎められるだろうか。そんな不安も過ったが、そもそも芽が出るかは半々、育つかも半々。どうにかなるだろうと千寿郎は、密かに愛らしい双葉の芽生える様を思い描きながら眠りについた。
機械
DOODLE2020年夏発行の杏千本(R18)web再録です。再版の予定はありません本を手にしてくださった方、本当にありがとうございます。拙すぎますが思い出の本です
●描いた時期が昨年春〜で、情報も絵も大変古い
大正時代の杏千
何でも許せる方向け 84
toratsuna1527
DOODLEうちれん6開催祝!うちれん6開催(開催日11/25)に用意した漫画になります😊
杏千、思春期少年兄上が千くんに抱いては行けない熱を1人処理してます。
落描き3枚の漫画。
passはうちれん6開催日(数字4ケタ) 3
淡墨@usuzumi
TRAINING杏千 千君幼児いい夫婦の日 「父上と母上は、いい夫婦ですか?」
11月22日、テレビから知識を得た千寿郎の質問に父槇寿郎は一瞬固まった。
「俺がどうかはわからんが、瑠火さんは良妻賢母…あー、良き妻で賢い母上だ」
まだ幼い千寿郎にわかるように四字熟語を砕いて説明する。
気恥ずかしいのかそっぽを向いてぶっきらぼうに応える槇寿郎に、瑠火が微笑む。
「槇寿郎さんは頼れる良き旦那様ですよ」
「つまり、父上と母上はとてもいい夫婦という事だ!」
「うわぁ、すごいです」
妻と長男の称賛と、それを聞いて顔を輝かせる次男に槇寿郎はむず痒い思いになった。
「千も!千も父上と母上のようないい夫婦になります!頑張ります!」
「千寿郎、いい夫婦とは1人で頑張ってもダメなんだ」
93511月22日、テレビから知識を得た千寿郎の質問に父槇寿郎は一瞬固まった。
「俺がどうかはわからんが、瑠火さんは良妻賢母…あー、良き妻で賢い母上だ」
まだ幼い千寿郎にわかるように四字熟語を砕いて説明する。
気恥ずかしいのかそっぽを向いてぶっきらぼうに応える槇寿郎に、瑠火が微笑む。
「槇寿郎さんは頼れる良き旦那様ですよ」
「つまり、父上と母上はとてもいい夫婦という事だ!」
「うわぁ、すごいです」
妻と長男の称賛と、それを聞いて顔を輝かせる次男に槇寿郎はむず痒い思いになった。
「千も!千も父上と母上のようないい夫婦になります!頑張ります!」
「千寿郎、いい夫婦とは1人で頑張ってもダメなんだ」
桜庭🌸
PROGRESS杏千 / 現パロ / ⚠他人転生設定※二人ともに記憶あり
※定食屋店主オバナイと生徒タンジロがちょっとだけいます
うちれんの原稿が無事に終わりそうなので、1月インテに向けて書き始めました!
他人設定も...アリやん?と書き始めたやつです 3320
桜庭🌸
PAST💎さん、お誕生日おめでとうッ!ということで(?)💎さん友情出演のお話です😎
杏千 / 大正軸
杏千プチ開催記念のアンソロジーに寄稿させていただいた小説の再録です
(公開許可いただいています)
酔いのようには醒めなくて「まぁ、一杯やろうや」
酒を勧めたのは、宇髄のほうだった。
共同任務の作戦会議後、宇髄が煉獄家に一晩泊まると言い出したのがはじまりだった。難色を示す杏寿郎の肩を気安く抱いて、「土産にうまい酒でも買っていこうぜ」と店じまいを始めた商店街に彼を連れ込んだ。「おい、宇髄」なおも抵抗する同僚に、「大丈夫、大丈夫」とけんもほろろに返す。もし拒絶されれば、酒を妻への土産にすればいい。そう考えていたのだ。
結局のところ、家長は不在だった。「昔お世話になった人のご葬儀だそうです。さきほどまでいらっしゃったのですが、ふらりと出ていかれました」そう説明する次男は、何でもないことのようにてきぱきと夕食を用意している。鎹鴉から宇髄同伴の帰宅を聞いてすぐに炊き始めたのだろう、釜戸から漂う湯気とともに柔らかな米の匂いが立ち上ってきた。たすき掛けをした袖口からのぞく生白い細腕を見て、杏寿郎は「千寿郎を一人にするなんて」と顔を顰めた。しかし、それも一瞬のことだった。父が留守にしたのは、自分が珍しく夕方に戻ると鎹鴉からの伝達があったからだろうと納得したのだ。不器用ながらも千寿郎に一人で夜を過ごさせんとする父の心の内を想像して、杏寿郎はやっと眉を下げた。
4653酒を勧めたのは、宇髄のほうだった。
共同任務の作戦会議後、宇髄が煉獄家に一晩泊まると言い出したのがはじまりだった。難色を示す杏寿郎の肩を気安く抱いて、「土産にうまい酒でも買っていこうぜ」と店じまいを始めた商店街に彼を連れ込んだ。「おい、宇髄」なおも抵抗する同僚に、「大丈夫、大丈夫」とけんもほろろに返す。もし拒絶されれば、酒を妻への土産にすればいい。そう考えていたのだ。
結局のところ、家長は不在だった。「昔お世話になった人のご葬儀だそうです。さきほどまでいらっしゃったのですが、ふらりと出ていかれました」そう説明する次男は、何でもないことのようにてきぱきと夕食を用意している。鎹鴉から宇髄同伴の帰宅を聞いてすぐに炊き始めたのだろう、釜戸から漂う湯気とともに柔らかな米の匂いが立ち上ってきた。たすき掛けをした袖口からのぞく生白い細腕を見て、杏寿郎は「千寿郎を一人にするなんて」と顔を顰めた。しかし、それも一瞬のことだった。父が留守にしたのは、自分が珍しく夕方に戻ると鎹鴉からの伝達があったからだろうと納得したのだ。不器用ながらも千寿郎に一人で夜を過ごさせんとする父の心の内を想像して、杏寿郎はやっと眉を下げた。
藤の葉の裏
MOURNING【杏千♀】トレス素材お借りしました(ちょっと改変しました)
この乳の出具合ならtkbも出てなきゃおかしいけど、もうちょっとで出ちゃいそうなかんじがいいかなって思って…。でも着物の端にtkbピョコンと乗っかってふわ~お♡なかんじでも良かったかもしれません🍼でへへ
LOVE_ROSE_MEE
DONE実はどんな話にしようか忘れてしまって頓挫してた寝取られ2です。新しく浮かんだので忘れない内にと書き上げました。2日間クオリティですのでご了承下さい。【注意】
兄上が他の人を想う表現があります。
千くんの片想いから始まる、ちょっと特殊性癖なお話です。えっちなシーンはほぼ無いけど、そんな表現もあるのでR18です。タイトルで察して下さい。珍しくハピエン…な筈 4634
桜庭🌸
DONE杏千 / 大正軸かまぼこもちょこっと
⚠原作通り、兄上が任務で亡くなる描写があります
劇場版公開3周年、そしてせんじゅろの日、おめでとうございます~~~🥳✨
兄上が無限列車に乗る直前に、夜空を見上げて過ごした二人のお話です。
黎明に消ゆポラリス「走る列車から、見えるだろうか」
まるで別人のような声色だった。熱い胸板の前でぎゅっと腕を組むその男には似つかわしくない、祈りのようなことば。窓ガラスに、じっと暗闇を見つめる真剣な表情が映る。「この話はこれでおしまいだな」と言われた手前、炭治郎はき返すのを躊躇した。汚い高音と獣の鳴き声のように雄々しい二人の同朋をちらりと見やる。声をかき消した二人の口論より、炭治郎は炎のような男と向き合うことを決めた。
「煉獄さん。今、何と?」
「うむ。走る列車から、見えるだろうかと」
「鬼ですか?」
つい、隠した刀に手が伸びる。しかしすぐに、その答えが見当違いなことに気づく。鬼は車両内に現れるはずなのだ。それ以上の答えが出るはずもなく、「熱心だな。関心、関心」と言った切、再び車窓を覗き始めた煉獄の視線をたどるよりほかなかった。
3475まるで別人のような声色だった。熱い胸板の前でぎゅっと腕を組むその男には似つかわしくない、祈りのようなことば。窓ガラスに、じっと暗闇を見つめる真剣な表情が映る。「この話はこれでおしまいだな」と言われた手前、炭治郎はき返すのを躊躇した。汚い高音と獣の鳴き声のように雄々しい二人の同朋をちらりと見やる。声をかき消した二人の口論より、炭治郎は炎のような男と向き合うことを決めた。
「煉獄さん。今、何と?」
「うむ。走る列車から、見えるだろうかと」
「鬼ですか?」
つい、隠した刀に手が伸びる。しかしすぐに、その答えが見当違いなことに気づく。鬼は車両内に現れるはずなのだ。それ以上の答えが出るはずもなく、「熱心だな。関心、関心」と言った切、再び車窓を覗き始めた煉獄の視線をたどるよりほかなかった。
kirye
DOODLEお家で一人だったので十数年ぶりにお絵描き✨シャーペンだし未完で汚いので、ご注意ください💦テーマは兄上に季節の花を届けたくて押し花を送る🧹くんと、それを遠くで受け取り弟に想いを馳せる兄上(長い!)本当に絵は難しい…😭やっぱり絵師様たちはすごいなあ。改めてすごさを思い知りました…! 2こみや
DONEせんずろくんグッズがなかなか出ないのは、兄上の許可がおりてないからっていうふざけた話です
「さらなる商品化? 駄目だ」
夏の爽やかな風も思わず声を潜める拒否が隠たちに突きつけられた。現炎柱である煉獄杏寿郎のものだ。普段多忙で捕まらない彼を休暇中の生家まで追いかけてきてまだ五分と経っていなかった。
だがここで左様ですかと引き下がるつもりなら、わざわざ休暇先まで追いかけてきてはいない。隠には隠なりの理由もあるのだ。――この炎柱の愛弟、煉獄千寿郎にまつわるものである。
鬼殺隊ではこの頃、隊や隊士になぞらえた様々な商品を作っている。例えば食器をはじめ日常品、服装品、果てには手のひらにすっぽり収まる愛らしいぬいぐるみまで。
だが鬼殺隊は政府ですら非公認の集団であり、その存在と意義を知る一般人も決して多くはない。よって商品も一般には流通しておらず手に取るのは主に隊士たちとその家族、関係各所などに限られるが、売り上げはそれなりに上々ではあった。始めの触れ込みもまたそうさせた。鬼の被害に遭った市井の人々が、再び心と体の平穏を取り戻していく資金の足しとするのが目的なのだ。
3721夏の爽やかな風も思わず声を潜める拒否が隠たちに突きつけられた。現炎柱である煉獄杏寿郎のものだ。普段多忙で捕まらない彼を休暇中の生家まで追いかけてきてまだ五分と経っていなかった。
だがここで左様ですかと引き下がるつもりなら、わざわざ休暇先まで追いかけてきてはいない。隠には隠なりの理由もあるのだ。――この炎柱の愛弟、煉獄千寿郎にまつわるものである。
鬼殺隊ではこの頃、隊や隊士になぞらえた様々な商品を作っている。例えば食器をはじめ日常品、服装品、果てには手のひらにすっぽり収まる愛らしいぬいぐるみまで。
だが鬼殺隊は政府ですら非公認の集団であり、その存在と意義を知る一般人も決して多くはない。よって商品も一般には流通しておらず手に取るのは主に隊士たちとその家族、関係各所などに限られるが、売り上げはそれなりに上々ではあった。始めの触れ込みもまたそうさせた。鬼の被害に遭った市井の人々が、再び心と体の平穏を取り戻していく資金の足しとするのが目的なのだ。
ki_m426
DONEリクエストありがとうございました✨転生して兄弟じゃない2人で兄だけ記憶があるお話+アイドルパロ
来世は他人だった 見間違いではなかった。髪は短いし、ファッションもパーカーにジーンズと些か過去のイメージと異なるものではあったが、その姿は確かに千寿郎そのものだった。歌う青年の傍ら、俯き気味にアコースティックギターを鳴らす。オリジナルの楽曲なのだろうか、聴いたことがないそれはどこかロック調で、本当はエレキギターを掻き鳴らしたいのではないかと思った。
出張先、いつもと違う街、いつもと違う駅。偶然に偶然が重なって訪れたこの駅前に、前世で俺の弟だったあの子がいた。
「あっ、お久しぶりです」
左手を軽く振れば千寿郎も応えるように小さく手を振ってくれる。一人千円、少ないだろうがあまり多く入れても畏まってしまうからと、俺は二人の前に置かれたギターケース二千円を入れた。そうすれば視界の端で俺を捉えた千寿郎の目が細くなる。それからは、少し離れたところで二人の演奏を見守った。
9202出張先、いつもと違う街、いつもと違う駅。偶然に偶然が重なって訪れたこの駅前に、前世で俺の弟だったあの子がいた。
「あっ、お久しぶりです」
左手を軽く振れば千寿郎も応えるように小さく手を振ってくれる。一人千円、少ないだろうがあまり多く入れても畏まってしまうからと、俺は二人の前に置かれたギターケース二千円を入れた。そうすれば視界の端で俺を捉えた千寿郎の目が細くなる。それからは、少し離れたところで二人の演奏を見守った。
sena
REHABILIなんか短い話を書きたくて、ちょっと書いてみた。兄上を膝枕しながら、ゆらゆら団扇で扇いであげる千くんがテーマ。なんか最後が不穏なのは性癖です。
夏の嘘つき近年稀にみる猛暑に見舞われた、七月某日。打ち水など一瞬で干上がりそうな日差しの中、俺は”特等席”で涼をとっていた。
「お隣の斉藤さんも、先日倒れたそうで」
眩しいほどの日差しが照り付ける庭の、縁側にて。ゆるりと団扇を扇ぐ千寿郎が、兄上も気を付けてくださいね、なんて気遣わしげに告げる。その言葉は、そのままお前に返そう。ついそんな言葉が口をつきかけたが、何とか踏みとどまる。弟の膝を枕にしている身分では、どうも説得力に欠けるのだ。結局、兄の威厳を取り戻す間もなく、千寿郎は小さな子どもに言い聞かせるように笑った。
「それにしても、外での鍛錬も程々にして下さいね」
「…うむ」
「兄上、暑いの苦手なんですから」
そうでしょう?と同意を求める声に、曖昧に頷く。すると機嫌をよくした千寿郎が、団扇を扇ぐ手を止めないまま、俺の額に滲む汗を拭ってくれる。いつから用意していたのか、水を含んだ手拭いはひんやりと冷たくて。その気持ちよさに、俺は目を閉じた。
1495「お隣の斉藤さんも、先日倒れたそうで」
眩しいほどの日差しが照り付ける庭の、縁側にて。ゆるりと団扇を扇ぐ千寿郎が、兄上も気を付けてくださいね、なんて気遣わしげに告げる。その言葉は、そのままお前に返そう。ついそんな言葉が口をつきかけたが、何とか踏みとどまる。弟の膝を枕にしている身分では、どうも説得力に欠けるのだ。結局、兄の威厳を取り戻す間もなく、千寿郎は小さな子どもに言い聞かせるように笑った。
「それにしても、外での鍛錬も程々にして下さいね」
「…うむ」
「兄上、暑いの苦手なんですから」
そうでしょう?と同意を求める声に、曖昧に頷く。すると機嫌をよくした千寿郎が、団扇を扇ぐ手を止めないまま、俺の額に滲む汗を拭ってくれる。いつから用意していたのか、水を含んだ手拭いはひんやりと冷たくて。その気持ちよさに、俺は目を閉じた。