ミナアレの書き出しボツ案 鷹梁ミナトにわざわざ呼び出される日はロクなことがない。食材を買いすぎたから寮へ運ぶのを手伝ってほしいと言われたときはマグロ一匹を運ぶ羽目になったし、運動に付き合ってほしいと言われたときはなぜか奴の弟や妹を代わる代わる肩に乗せて観光しなければならなかった。だからあいつの頼み事など聞くものではない。分かってはいるが、あの善良な顔がひどくさみしそうに笑ったり、無理に高いトーンで全然大丈夫、と言わせたりするのがどうにも落ち着かない自分がいる。だから今日も渋々ながら了承してしまった。バイクに跨がったときはまだ晴れていた。