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    ゆる〜い現パロ(警察官×教師)
    クロロレ

    離婚して再婚するやつ(仮)14 ローレンツは物分かりがとても良く、クロードが勤務のせいで彼を放置しっぱなしでも機嫌を損ねるようなことはなかった。彼は彼で仕事で多忙だったこともあり、結婚したての頃は上手くいっていたように思う。
     クロードがそう述べるとアネットの親友だというメルセデスはそうなのね、と言って頷いた。隣の椅子に座るローレンツは腕組みをして黙っている。話し合いってとっても難しいから私のことを頼ってね、と最初にそう言われたからだ。
     それは彼が教え子たちに常々伝えていることでもある。殴り合いや口喧嘩よりもずっと難しいからこそチャレンジして欲しい、その手伝いをするから───その指導方針を知った時、クロードは柄にもなく感動したのだ。彼の教え子が増えれば多分この街は変わる。
    「ローレンツはどう思うのかしら〜?最初は上手くいっていたの?」
     今度はクロードが黙る番だ。アネットの提案で夫婦カウンセリングに通っている。被害者支援のカウンセリングルームで夫婦カウンセリングも行っているからだ。ローレンツは本気で次の段階へ進もうとしている。
    「僕が間抜けのお人よしでいる間は上手くいっていたね」
     ローレンツは自嘲気味に笑っている。そんな顔をさせたくて黙っていたわけではなかった。
    「守秘義務については承知している。僕が許せなかったのは」
     久しぶりに目と目が合う。相変わらずアメジストのように綺麗でこの瞳を曇らせたのが自分かと思うとクロードは逃げ出してしまいたくなる。
    「抗うつ剤を捨てたことだ」
     結婚してすぐ、間の悪いことにクロードは潜入捜査をすることとなった。守秘義務があるので家族にすら全貌は明かせない。そして自分が危険な目にあえばあうほど冷静になり、ぎりぎりまで恐怖心というリミッターが働かない性質であることを知ったクロードは華々しい成果を上げた。
    「即効性がない、と言う理由で精神医療に不信を持つ人が多いのは残念なことだわ〜」
     そして深く傷ついて日常に戻ってきた。抗うつ剤や神経に直接作用する白魔法で蓋をしようと潜入先でクロードが目にしたものが現実であることに変わりはない。治療に意味が見出せなかったクロードはローレンツの前で健康な人間であるかのように振る舞った。だが精神力だけで取り繕うのには限界がある。ローレンツは間抜けでもお人好しでもなかった。
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    MAIKING「説明できない」
    赤クロと青ロレの話です。
    4.遭遇・下
     犠牲者を一人も出すことなく野営訓練を終えて修道院に戻ることが出来た。ローレンツのほぼ記憶通りではあるが異なる点がある。ベレトが金鹿の学級の担任になったのだ。正式に採用された彼は既に士官学校から学生の資料を貰っている。だがグロンダーズで行われる模擬戦を控えたベレトはここ数日、放課後になると学級の皆に話を聞くため修道院の敷地内を走り回っていた。

     ローレンツはあの時、模造剣を配ろうとしたのは何故なのかとベレトに問われたが予め野盗達に襲われているのを知っていたから、とは言えない。言えば狂人扱いされるだろう。

    「歩兵の足が早すぎたからだ。補給部隊が本体と分断されたら敵に襲われやすくなる」

     食糧がなければ兵たちは戦えない。敵軍を撤退させるため戦端を開く前に物資の集積所を襲って物資を奪ったり焼き払ってしまうのは定石のひとつだ。ローレンツの言葉聞いたベレトは首を縦に振った。

    「それで足止めして予備の武器を渡したのか。装備をどうするかは本当に難しいんだ。あの場合は結果として合っていたな。良い判断をした」
    「ありがとう先生。そう言ってもらえると霧が晴れたような気分になるよ」

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