類司小説進捗幼い司は、つい先日観たショーを真似して、何度も練習を繰り返していた。
「うーん、こうか?…こう!うん!これが1番かっこいいな!!」
鏡の前で、決めポーズを確認し、満足のいくできばえに、ふふんと得意げな顔をする。
「明日病院に行ったら、咲希に見せてやろう!…あ、剣にもっと飾りをつけたらゴージャスになるな!」
手作りの剣を持って、文房具がおいてある棚の前に行く。折り紙をはさみで切りながら、勇者の剣は宝石がないとな、魔法のペンダントも作らないと!と、あれもこれもとやりたいことが浮かんでくる。
咲希はこの前のショーと同じくらい喜んでくれるだろうか。
司は母に晩御飯よ、と呼ばれるまで夢中で工作を続けた。
果たして彼の初めてのショーは大成功であった。
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