一月一日の魔法「ところで降谷くん、タメシトテとは何だ」
僕の家のこたつにぬくぬくと足を突っ込んだ赤井はおもむろに言った。
同じオフィスで働くようになってからというもの、赤井は休みのたびに飲みだ遊びだとやたらに僕を誘うようになり、そのうち僕の家に入り浸るようになった。正月休みといえど例外ではなく、仕事納めとともにボストンバッグと良い酒をかついでやって来て、二人で年越しをし、そのまま三が日のくつろいだ時間を一緒に過ごしている。
こたつの向かい側に、みかんを剥きながら駅伝を見る赤井秀一がいる正月。そんな時が来るなんて、少し前まではまったく想像もできなかったなあ。
「はい? 何です?」
「Tameshitote、とは何だろうか」
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