君へ捧げる生きる時間別に、恋人になりたい訳じゃない。
けれど、僕が君と一緒に過ごせたこと、その時間が決して無駄なんかではなく、人生に彩りを与えたこと。
その証が欲しかった。
君へ捧げる生きる時間
狛枝凪斗はじとりと様子をうかがっている。
テーブルに並んだ料理と日向創を。
「あのなあ狛枝...自炊ぐらい俺だってなあ」
目で口ほどに語る狛枝への一言。
これ全部君が作ったの?と言外に伝えてくる狛枝に、
後ろ手にエプロンをほどいてから手料理の前に日向は着席する。カーテンから差し込む朝の日差しが彼をよりいっそう輝いて見せる。
間が空いてから、まあ、花村までの味は勿論出せないけどさ。と、やや自虐気味に話す彼に、ボクは多少の申し訳なさを覚え、ごにょごにょとありがとうを伝えた。
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