にゃそとにゃめんの物語雲一つない晴れの日。この日光を逃す手はないと
バンジークス邸では使用人たちが洗濯にいそしんでいた。
普段乾きにくいから洗えない大きなものや厚手のものを
洗い場に集めてはどんどん洗っていく。
亜双義も部屋のカーテンを取り外し、他に洗い場へ
持っていくべきものがないかと部屋を見渡すと
ベッドサイドのチェストの上にある、にゃめんの寝床が目に入った。
にゃめんもにゃんじーくすも、屋敷中自由に使っているが
それぞれ自室としている場所がある。
にゃんじーくすはかつてバンジークス兄弟が使っていた子供部屋。
にゃめんはここ、亜双義の部屋の一角だ。
猫は自分の匂いが消えるのを嫌がるので、固定の寝床は頻繁には洗わない。
だが全く洗わないのも不衛生だ。今日はいい機会だろう。
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