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    ushiai_41

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    ushiai_41

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    ⚠ゲロの話/現代AU/曦澄
    ※ネタなので細かく考えないで欲しいっす。なお実際お酒で倒れたら普通に救急車呼んでください。

    #MDZS
    #曦澄
    #現代AU
    modernAu

    急性お隣さん中毒マンションのお隣さんな江澄と曦臣は、学生と社会人で時間も違うし、単なるお隣さんで全く交流が無かった。
    ある日曦臣は苦手な酒の場で断りきれずに全く飲めないのにお酒を飲んでぐでんぐでんになりつつ頑張って帰宅。
    しかし玄関を閉めた途端崩れ落ちて動けなくなってしまい、ものすごい物音にびっくりした江澄が慌てて見に来る。

    死体かと思ってヒィッと悲鳴を上げるが、曦臣が「あ…どうも……」と据わった目で言うので酔っ払いとわかる江澄。大学生の飲みでもこんな奴はいない。どれだけ飲んだんだ、と呆れつつ一応「🚑呼ぶか?」「いえ……それよりも、きもちわるくて……」そう話してる途中でもうゲロる。見事にゲロる。玄関も服も靴も汚れて、しかし曦臣は動けない。
    その様子に江澄は引きながらも仕方なく曦臣をその場で脱がせると、背負って家の中へ連れていく。細身に見えて案外がっしりとしていて重たい。
    「ウッ…よごれますよ……」
    「フン、高級なシャツと違って安価なスウェットだ。気にするな」
    ちくっとするが優しい言葉に、不器用な子だなあと思う曦臣。

    江澄は下着姿の曦臣をベッドへ運び、風呂桶と水を持ってきて口をゆすがせ、汚れたところを濡れタオルで拭いてやる。
    「あ….パジャマは……そこの……」
    「そこまでする気は無い。今日くらい下着で寝ろ」
    ぺちんと軽くおでこを叩かれると、なんだか魔法のようにすうっと眠りにつくことが出来た。
    すよすよ曦臣をよそに、江澄は腕まくりをして掃除を始める。深夜3時、レポート明けの事件だった。

    翌朝目覚めた曦臣、思っていたより頭がすっきりしている。枕元のテーブルに置かれていた水差しと頭痛薬に驚き、玄関がとても綺麗になっていることに驚く。
    台所には昨晩曦臣が着ていたスーツがぴっちりとアイロンをかけられ畳まれて置かれており、その隣に細い字で書かれたメモが。
    『おはようございます。体調はどうですか。勝手に洗濯機とアイロンと台所を借りました。お粥を冷蔵庫に入れてありますが、必要なければ廃棄してください。靴はよくわからなかったため、汚れを落としただけです。飲み過ぎにはお気をつけて 江澄』
    お粥はとても美味しかった。江澄、そうか、お隣さんのあの子は江澄と言うのか。むくんだ頬を緩ませ曦臣は心の内に広がる温かな感情を楽しんだ。しかし、あんな姿を見せてしまって恥ずかしいという感情もある。丁寧にメモも残してくれて、とても優しい子なのだろう。お礼をしなければ。

    その日の夕方、定時で帰ることの出来た曦臣はバイト帰りの江澄に声をかけた。
    「江澄」
    「ん、……ああ、どうも」
    「こんばんは。昨日はありがとう、色々とやってもらって申し訳ない。すごく助かったよ。お粥も美味しかった、今まで食べた中で一番美味しかった」
    「あれでそんなに美味かったんですか?よほど疲れていたんだな。もしくは今までロクな粥を食べてこなかったか」
    「そ、そうかな?すごく美味しかったんだよ、きっとあなたが作ってくれたからだね」
    「そりゃどうも」
    曦臣の言葉に呆れたように少し笑う江澄。あ、かわいい。きゅんとした。
    「あの、それで昨晩のお礼がしたいな。何か欲しいものはあるかい?好きなものや、必要なものでも。やりたいこととかでも、なんでもいいよ」
    「なんだ、菓子折りでも出されるかと思った」
    「お菓子がいい?」
    「いや、正直あまり興味はない。というか、バイト先がケーキ屋だから菓子は困る」
    またきゅんときた。ケーキ屋さんでバイトを?この子が?なんて可愛らしいのだろう。彼の手から詰められたケーキたちは本当に宝石箱に見えるだろう。既に彼自身が宝石のようなのに。曦臣の目には、江澄がきらきらして見えた。顎に手を当て悩む姿も可愛らしい。自分とほぼ同じ背丈の男に思うことではないが、曦臣はなんの違和感もなくその感情を受け入れていた。
    「そうだな……あ、なら靴を見てほしい」
    「靴?」
    「ああ。昨日少し見たが、あなたは上等な靴をいくつも持っているだろう?俺はあまり興味が無くて、だが就活を考えるといつまでもスニーカーじゃいられない。紳士靴というのか?ああいったジャンルは選ぶ基準だとか素材、色なんかもよくわからないんだ。まとめて売られているものでもいいが、どうせなら目利きに頼みたい。なるべく安めでいいのはないか?」
    これは好機、と天に囁かれた気がした。曦臣は江澄の手をギュッと握り、ぱあっと破顔した。
    「もちろん、私がプレゼントするよ!あなたに合った靴を贈らせて欲しい、一緒に見に行こう」
    「そこまではしなくても、」
    「いいんだ、私の気持ちだから。いつが空いているの?私が合わせよう」
    「……じゃあ、明日」
    「わかった」
    曦臣は有給を使っていないことに感謝した。明日、明日またすぐに会えるなんてとても嬉しい。その気になればいつだって会えるのだ、なんてったってお隣さんなのだから。だが、そういうことではない。この高揚はそう、この胸の高鳴りは──
    「そういえば、飲むときはちゃんと何かを食べながら飲まないとダメだぞ。胃が荒れるし、酔いやすくなる。大人なんだから気をつけてくれ」
    ああ、いや、すまない出過ぎたことを。嘔吐物のことを言われるのは不快だったよな?悪かった。だがあなたがあんまりな吐き方をしたから、俺だって心配になるんだ。
    「──はい」
    むっとしたり、心配そうな顔をしたり、軽く笑ったり。たった短時間で一見クールに見えた江澄の表情はころころと変わった。ああ、好きだ。藍曦臣は己の恋を理解した。
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