あなたに届ける物語貴方に届ける物語
「じゃじゃん!今日は魔法を使わずに!」
「駆けっこ対決して賢者ちゃんに物語をお届け〜!」
スノウとホワイトの朗らかな声が、食堂に響く。突如始まった提案に、ある者は怪訝な表情を浮かべ、ある者は淡々と聞き流す。
良くも悪くも変わらない、今となっては魔法舎の日常だ。
「駆けっこ対決ですか?魔法を使わずに?」
「南の国では、よくクラスの人達と遊んだりしたんですけど…。」
リケとミチルの返答に、良くぞ聞いてくれましたとばかりに双子は目を輝かせた。
「それじゃそれ!我らは魔法使いであるが故に、魔法を使えば大抵の事は片がつく。」
「もちろん魔法舎での訓練や依頼をこなしている皆は、当初に比べれば魔法力も協調性も育っておるじゃろう。」
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