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    わかめごはん

    @wakame_wjoy

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    わかめごはん

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    お題「お前に言ってなかったことがある」
    中の人のイメージから、勝手に歌が上手なダニーさんのお話。

    #マクダノ
    mcdano.
    #H50
    #まくだのワンドロとワンライ
    madasWandoroAndWanlai

    金曜の夜、二人の酔いも深まったマクギャレット邸で、なんとなく見ていた退屈なアクション映画は、エンドテロップが流れるばかりになっていた。カウチに沈んだダニーは、自分の隣に陣取るスティーヴを見る。その腕はカウチの背もたれの上に伸ばされていて、ダニーの肩には落ちてきていない。
    「なぁ」
    「ん? そろそろ寝るか? 泊まるだろ」
    カウチに寝るダニーのためにブランケットを取ろうと、立ち上がったスティーヴの手をダニーが掴んだ。
    「ギター」
    「なに?」
    「俺がやったギター。持ってこいよ。演奏会しよう」
    「え……今から?」
    「あぁ。嫌とは言わせないぞ、俺がやったんだからな。弾いてるか? あれ」
    「あ、いや……うん。実は、たまに」
    「一人で?」
    「だって、聞かせるやつもいないし」
    「ここにいるだろ。早く持ってこい」
    スティーヴはわずかに逡巡しながらも、二階の自室からギターケースを持って降りてきた。
    テーブルに置いて、観念したように勢いよく蓋を開ける。手にすると、わずかなチューニングで良い音が鳴った。まめに弾いているようだ。
    「何が弾ける?」
    「メジャーな曲なら。コード鳴らすだけでよければ」
    「そうだな。……じゃ、『Your song』」
    「エルトン・ジョン? It's a lil' bit funny〜てやつ? 意外な曲が好きなんだな」
    「物知らずのお前でも知ってるのにしたの」
    こうか? と探り探りコードを鳴らしていくスティーヴに、横に座ったダニーが言う。
    「スティーヴ、お前に言ってなかったことがある」
    「なに?」
    「俺、かなり歌上手いんだ」
    いたずらっぽく笑うダニーを見て、スティーヴがイントロを鳴らしながら破顔した。
    「じゃ、歌ってくれるよな」
    歌が始まり、スティーヴがギターを鳴らす。
    ちょっと照れたような男の告白から始まる歌詞は、訥々と愛を語った。

    これはお前のための歌なんだ
    気にいるかわからないけど、気持ちを込めるよ
    お前がいてくれるだけで、人生はこんなにも素晴らしいんだ

    真横から真っ直ぐに見つめられて、スティーヴもダニーから目が離せない。途中からギターを弾く手が止まり、ダニーが歌うアカペラの曲に聞き入った。
    「……ダノ」
    スティーヴが掠れた声で、囁くように呟いた。ダニーが笑う。
    「悪くないだろ? こういう告白も」
    スティーヴはギターを置いて、ダニーの肩に手を伸ばし、恐る恐る抱きしめた。
    「告白だと、思っていいのか?」
    「お前、鈍いから気づかないかと思った」
    「痛いほど伝わったよ、ダノ。心が痛いくらい。痛いくらいに幸せだ」
    「痛いのが好きなの? お前らしい」
    「変な言い方するなよ。……ダノ」
    ダニーの肩を掴んだスティーヴが、緊張した面持ちでダニーの目を覗き込み、瞳が伏せられたのを見て、そっと、唇を重ねた。
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    わかめごはん

    MOURNINGお題は「いいか、よく聞け」
    なんともしっくり来てないけど投げちゃう
    地下の取調室で、スティーヴ、ダニー、そしてルーの三人が喋らない容疑者を前にして立っていた。しかしルー以外の二人は、入室するなり出入口の両脇に腕組みをして立ち、一言も口を開いてはいない。その異様な威圧感に、容疑者の男も額に汗を浮かべ始めていた。
    「おい、仲間の居場所をしゃべる気はないのか」
    「……」
    無言を貫く男に、ルーが顔を近づけた。
    「いいか、よく聞け。お前さんだってハワイの犯罪者の端くれなら、FIVE-0のスティーヴ・マクギャレットとダニー・ウィリアムズの話くらい聞いたことがあるだろう。あいつらがその二人だ」
    男の視線がルーの背後を行き来する。スティーヴとダニーは微動だにせず、冷たい視線で見下ろすばかりだ。
    「しかもあんた、最高にツイてない。今日はあいつら最高に機嫌が悪いんだ。こんなのはあれ以来かな……スティーヴが参考人の腕を折った時か、ダニーが犯人に喋らせるまでボコボコに殴り続けたときか。あんたがこのまま喋らなかったら、俺も二人を止められるかどうかわからんぞ」
    声を潜めてルーが囁けば、男の喉仏が上下した。
    刑務所へ行った者や同業者たちから、FIVE-0の噂は聞いていた。てっきり尾 1186

    わかめごはん

    DONEお題「お前に言ってなかったことがある」
    中の人のイメージから、勝手に歌が上手なダニーさんのお話。
    金曜の夜、二人の酔いも深まったマクギャレット邸で、なんとなく見ていた退屈なアクション映画は、エンドテロップが流れるばかりになっていた。カウチに沈んだダニーは、自分の隣に陣取るスティーヴを見る。その腕はカウチの背もたれの上に伸ばされていて、ダニーの肩には落ちてきていない。
    「なぁ」
    「ん? そろそろ寝るか? 泊まるだろ」
    カウチに寝るダニーのためにブランケットを取ろうと、立ち上がったスティーヴの手をダニーが掴んだ。
    「ギター」
    「なに?」
    「俺がやったギター。持ってこいよ。演奏会しよう」
    「え……今から?」
    「あぁ。嫌とは言わせないぞ、俺がやったんだからな。弾いてるか? あれ」
    「あ、いや……うん。実は、たまに」
    「一人で?」
    「だって、聞かせるやつもいないし」
    「ここにいるだろ。早く持ってこい」
    スティーヴはわずかに逡巡しながらも、二階の自室からギターケースを持って降りてきた。
    テーブルに置いて、観念したように勢いよく蓋を開ける。手にすると、わずかなチューニングで良い音が鳴った。まめに弾いているようだ。
    「何が弾ける?」
    「メジャーな曲なら。コード鳴らすだけでよければ」
    「そうだな。… 1168

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