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「おい、俺が感覚取り戻して最初に見たのほぼ死体のお前だぞ?!」
「それは…何度も謝っただろ!阿絮だって武功が失くなってまで生きるのやだとか言って私のこと置いてこうとしたじゃないか!」
「でも結局置いていったのお前だろう!」
「も、戻ってこれたし」
「師父!師叔!ちょっと待ってください。何でそんな喧嘩してるんですか!」
数日前、何年ぶりかに山からふたりが降り、訪ねてきてくれた。
自慢の師父と師叔を弟子達に紹介するのは誇らしかったが、どう見ても年下にしか見えないふたりを敬う私を不思議そうに見ていた。
私が話す武庫戦記を瞳を輝かせ聴いていた弟子達だが、いざ当人を目の前にするとどう振る舞っていいのかわからないらしく、遠巻きに見ているばかりだった。夢物語の人物が目の前に現れれば仕方ない。
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