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    遭難者

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    遭難者

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    「忘機に『哥哥』と呼ばれ隊」が結成された日。

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation

    藍曦臣:「魏公子、折り入って頼みがあるのだけど‥‥」

    魏無羨:「え、どうかしたんですか?」

    藍曦臣:「私を大哥と呼んでみてはくれないかい?」

    魏無羨:「え?」

    藍曦臣:「いやぁ、私も長男だから一度は呼ばれてみたくてね。ほら、阿瑤や懐柔は二哥と呼んではくれてたん、だけれど‥‥‥‥」

    魏無羨:「わーー!!言います!全然構いません!構いませんけど沢‥‥」

    藍曦臣:「‥‥」

    魏無羨:「大、大哥。」

    藍曦臣:「はい!」

    魏無羨:「はは‥‥」

    藍曦臣:「ありがとう。いやぁ、やっぱりいいものだね!忘機はそう呼んではくれないから、なんだか嬉しいね。」

    魏無羨:「え、沢‥‥大哥にもですか?」

    藍曦臣:「ああ、昔から『大哥』とも『哥哥』とも呼んでくれなくてね。」

    魏無羨:「俺も、実は呼ばれてみたくて何度も頼んでるんですけど、なかなか‥‥」

    藍曦臣:「え?君にもなのかい?あんなに君のこと好きなのに?」

    魏無羨:「あっはは‥‥言ってくれませんね。」

    藍曦臣:「なんでだろう?」

    魏無羨:「恥ずかしいんですかね?」

    藍曦臣:「う~ん、鼻にかかって可愛い音とかが?」

    魏無羨:「なるほど。」

    藍曦臣:「でも『歌』だって同じなのにね。」

    魏無羨:「じゃあ、言い方ですかね?大体『哥哥~』って甘えて言ってることが多い気がしません?」

    藍曦臣:「確かに昔から甘えるのは下手な子だったし、甘えてはいけないと思っていた子だったからね。あ、君にはちゃんと甘えてる?」

    魏無羨:「え?いや、まぁ、多少、少ないですけど、それなりには‥‥」

    藍曦臣:「ああ、ごめんごめん、さすがに無粋だったね。でも、甘えられてるなら良かったよ、本当に‥‥」

    魏無羨:「‥‥。」

    藍曦臣:「頑な忘機が言ったら可愛いだろうね。」

    魏無羨:「わかります。きっと照れながら言うんです。絶対に可愛いですよね。」

    藍曦臣:「聞いてみたいね忘機の『哥哥』。」

    魏無羨:「聞いてみたいですね藍湛の『哥哥』。」


    (( 『哥哥』想像中 ))


    魏無羨:「頼んでみますか?」

    藍曦臣:「え、君が頼んでも駄目だったんだろう?」

    魏無羨:「なので、二人で。」

    藍曦臣:「あー挟み撃ちにするのか!それは忘機も逃げ難いね!手でも握るかい?」

    魏無羨:「両側から!ああ、でも藍湛の腕力で押しきられるかも。」

    藍曦臣:「そこは、任せて!力には私も自信があるからね!」

    魏無羨:「さすが大哥!!いつ決行しましょうか?」

    藍曦臣:「そうだね~、いつがいいかなぁ。」



    ********


    木陰より。

    藍忘機:「‥‥‥‥。」←身の危険を感じる含光君
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    DONEアニ祖師7話の心の目で読み取った行間埋め曦澄。
    魏無羨の抹額ハプニングのアフターフォローしに兄上のとこに謝りに行く江澄。
     一位で雲夢江氏と呼ばれた時、少しでも期待した自分が恥ずかしい。藍忘機との諍いの後、藍忘機の態度が魏無羨も気になっていたのか、調子を崩していたようだったから、もしかしたら自分かもしれない、と思ったのだ。
     結果は一位は魏無羨で、自分は二位でもなく、三位でもなく、四位ですらない。途中で棄権した藍忘機にすら自分は勝てなかったのだ。温晁は途中で退場したから、残りの五大世家の公子の中で、上位に名前を呼ばれなかったのは自分だけだ。江澄は拳を強く握った。
     魏無羨が一位なのだから、雲夢江氏としての面目は十分に取れている。それは素直に喜ぶべきことだろう。雲夢江氏として誇らしいことだと。実際に喜ばしいと思う。雲夢江氏が一位だと聞いた時、自分ではなかったけれど、誇らしかった。ただ、そのあと、上位に自分の名前が呼ばれなかったことが悔しくて仕方がない。
     後ろではしゃぐ魏無羨と師弟たちの声を聞きながら江澄は溜め息をこぼした。まだ、修練が足りないということか。止まっている的を射るだけではだめだ。動いている的を確実に当てることができるようにならなければ、魏無羨に並べない。
     生まれ持った才能の差があるのだから仕 3526