鶴尾ぐろりょな「さて。最初くらいはどこがいいか決めさせてやろう。右目、左目、鼻、右耳、左耳、舌…」
右手親指の爪右手人差し指の爪右手中指の爪右手薬指の爪右手小指の爪左手親指の爪左手人差し指の爪左手中指の爪左手薬指の爪左手小指の爪右足親指の爪右足人差し指の爪右足中指の爪右足薬指の爪右足小指の爪左足親指の爪左足人差し指の爪左足中指の爪左足薬指の爪左足小指の爪。
まるで早口言葉のような言葉が流暢な発音と共に耳を通り抜けていく。
やると言えばやる。この男はこのための知識と冷静さと狂気と残忍さを持ち合わせている。人体を殺すために壊すのではない。殺さないために壊す方法を知っているし、それが実行できる人間だ。
「そういえば尾形上等兵は凌遅刑というのは知ってるかね?お前は日清戦争には参加してないから知らないか」
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