手の中のタブレットの明かりが消えた。
考え事をしていてライトが切れたのは何回目だったか、思い出せる気もしない。
……もうすぐマイカへ行く日になる。
「あ、モクマさん。ただいま戻りました。」
「ルーク、おっかえりー」
笑顔を作ってひらりと手を振って挨拶を済ませて、すぐ視線を手の中に戻した。
キッチンへ移動したルークの方から生活音が聞こえる。
手にした袋の中身を冷蔵庫に移した音に、食器棚を弄る音。
「モクマさん、お茶飲みますか?」
「ん? 何飲むの?」
「緑茶です」
「お、渋いとこつくねぇ。せっかくだし呼ばれよっかな」
「はい! 用意しますね」
暫くなにやら作業をしていたルークが色々乗った盆を持ってきた。視線がこちらに向く。
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