若モリぐだ♂「まぁよくも老齢の私を籠絡したものだ」
「……」
白で統一された食堂にてぽつんとただ1人夜食を頬張っていた自分に投げかけられた言葉。嫌味と取るのが普通だろうが、ことマスターたる立香にはそう考える思考は残念ながら持ち合わせていない。
「それはどうも」
「褒めてない」
「あとうちにアラフィフの教授は居ないから」
「それも承知している。しかし閲覧可能なレポートを読む限り新宿で邂逅した君には心を砕いているようにも見て取れるのだが」
「フレンドさんの教授めっちゃ強いんだよね。困ったらサポート頼んでたし頼りになるよ」
「話の腰を折るな」
こんな深夜帯に帰還して他のみんなはマイルームに帰って貰ったがどうにも腹の虫は機嫌が悪かった。しょうがなく食堂にて夕飯のお零れでも預かろうと足を運んだがタイミング悪くエミヤがいた。小言を承知の上でこんばんはと挨拶する。だがその前に「夜食を所望かね?」と普段通りの彼だった。
1997