ポメガバース(あかんあかんあかん、やってもーた!)
水上は1人、頭を抱えたい気持ちで自販機を見上げた。そう、見上げている。
視点は低く、ボタンどころかお釣りの出口さえ届かない。頭を抱えようにも手足はちんまりとしており、体はもふもふとした毛に覆われている。
水上は今、ポメラニアンになっている。
多少、疲れている自覚はあった。
テストを終えてすぐの防衛任務、任務時のトラブルとその報告書の作成をする生駒の手伝い、そこからランク戦へ向けての情報収集…。
寮がボーダー内にあり、保護者もいない。注意されないのをいいことに遅くまで残っていた。自分の体調管理を怠った気持ちはないけれど、どうやら自分が思っていた以上に身体の方は限界であったらしい。
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