Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    RiToMS_WT

    @RiToMS_WT

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 😘 😍 💞
    POIPOI 17

    RiToMS_WT

    ☆quiet follow

    らぶらぶしてる影犬。ほんまにバカ甘ったるい。
    私の中でめちゃくちゃ解釈違いを起こしながら頑張って最後まで書き終えました。影犬はこんなにらぶらぶせんよ…(泣)
    らぶらぶ影犬が苦手な方は読まんが良いと思いま…

    らぶらぶ影犬カゲと恋人になって3度目の冬が来た。2人して炬燵に入って身体を縮こませながら、みかんを貪り食う。
    カゲと付き合い始めたのは、高校3年生の秋頃。おれのずっと奥に閉まっていたカゲへの好意がバレてしまいそのまま想いを打ち明けると、俺も好きだと返ってきて付き合う事になった。正直、カゲもおれのことが好きだっていうのにめちゃくちゃ驚いた。そんな素振りを一切見せなかったから。でも好きだって言ってくれた時はちゃんと耳赤くして照れていたし、本当に好きか聞いた時には、キスもハグもしてくれて本気だということが分かった。嬉しくて幸せで胸がいっぱいになって、暫く浮かれていたのを覚えている。
    そして高校を卒業すると同時におれ達は実家を出て一緒に住むことにした。ずっと一緒に住みたいと考えていたところにカゲが「一緒に住むか」と話を持ち出して来たので、するっと話が進み、物件を探し、内見に行って、いい所を見つけて、引っ越してと、順調に事が運んで、今はのんびりこの2DKのマンションで暮らしている。特に問題なく家事も分担し、上手くやっていて、正直めちゃくちゃ幸せ。疲れて帰ってきたら大好きな恋人がいるということ、朝起きたら恋人の寝顔が見れるということがおれにとって本当に嬉しくて幸せなことなのだ。
    一緒に住み始めて、カゲの色んなことを知った。意外と細かいところを気にするということ、綺麗好きだということ、ご飯を作るのが上手いということ、そして、おれのことをちゃんと好きで一緒にいてくれるということ。正直、同居はそう長くは続かないと思っていた。意見の食い違いがあり、喧嘩をしまくって、別れて、どっちかが出ていく。そして何事も無かったかのようにいつも通りの会話をする。そんなもんだと思ってた。だけど、いざ付き合ってみるとカゲはちゃんとおれのことをカゲなりに丁寧に扱ってくれるし、すごく優しい。2人きりの時に限るけど。付き合ってすぐの時は、おれが好きだとかキスしたいとかそういうのでカゲを刺すとうぜぇって嫌がっていたけど、時間が経つにつれ徐々に応えてくれるようになった。頭を撫でてくれたり、目を合わせるとキスしてくれたり。応えてくれる度に好きだなって思う。前は照れて言ってくれなかった「好き」という言葉もくれるようになった。カゲとおれの、気持ちだけじゃなく身体的な距離も近くなり、お互い一緒にいることが心地良いんだという事に付き合って1年程経った時に気づいて、それから家にいる時はずっとどこかしらがくっついている状態でいる。
    「カゲー、あのさー、」
    「んだよ、」
    「んや、そのー、なんでもない。」
    「何でも無くねえだろ、言えよ。」
    「んーーーー、いや、好きだなあって。」
    「あっそ、知ってる。」
    「あ、刺さってて分かってたのに言わせたな。」
    「おー。」
    「うわー、ずるい。でもそーゆーとこも好きー。」
    暇な時、くっついてても何も言わずに受け入れてくれる影に胸がじわっと温かくなる。好きだと言えば鼻で笑って左の口角が少し上がる。それがかわいくて大好きで、いつもくっついていた身体を剥がして抱きしめている。

    もちろんこれだけ長いこと付き合っていればえっちなことだってする。カゲはセックスしてる時、おれのしてほしいことをしてくれる。頬に手を添えてくれたり、頭を撫でてくれたり、キスしてくれたり、首を甘噛みしてくれたり、おれが手を伸ばせば手を繋いでくれたり。回を重ねる毎にセックスがただ身体を重ねるだけの行為ではなく、ちゃんと愛し合う行為になっていき、今日もゆっくり気持ちいいセックスをして、幸せで胸いっぱいになった。たくさん愛し合った後は、カゲがパンツとスウェットを「着とけ」って投げてきて、まだ頭が回ってないおれがのそのそそれを着てる間に、バスタオルとかシーツとか後処理をちゃんとしてくれて。嬉しい、好き、と思いを込めて名前を呼べば、舌打ちしながらも振り返って頬に手を伸ばし触れるだけの優しいキスをしてくれる。髪の毛をくしゃりと撫で回し「水持ってくる」とバスタオルとシーツを持って部屋を出るカゲを見送れば、その間におれは軽くベットメイキングをしてカゲを迎え入れる準備をして大人しく待つ。カゲが戻ってきたら水を飲んで喉をうるおし、整えたふかふかのベットに入って特に会話を交わすことなく、おやすみと一言だけ言ってから目を瞑る。カゲはいつもおれの胸元に額を置いて眠りにつくのだけれど、おれのとくとくって心音が心地いいんだって。おれはそんなカゲの後頭部にそっと手を添えて優しく撫でて、その時に香るシャンプーとカゲの匂いが混じった優しい匂いを吸い込み肺と脳までいっぱいにしてから眠りにつく。これか本当に心地よくて、おれの大好きな時間なのだ。


    目を覚ますと、先に起きたカゲがいつも通り朝食を作っていた。卵をかき混ぜる音が聞こえてきて思わず頬が緩む。ゆっくり身体を起こし、いい匂いのするキッチンへ足を運ぶ。
    「おはよ。」
    「はよ。身体大丈夫か、」
    「うん。大丈夫。ご飯ありがとう。」
    「いつもの事だろ。」
    「そーだけどさあ〜。」
    カゲの肩にぴたりとくっついて幸せのあまりふふふと笑いを零せば、きめぇと肘で小突かれた。
    「いや、幸せだなあって。こんな生活がいつまでも続けばいいなって思ってさ。」
    「続くだろ。」
    「!、なんでそう思うの?」
    「………なんとなく。」
    なんとなく。はっきりとした理由があるわけじゃ無いけど、続くと思っているカゲに驚いた。そう応えるということはカゲもちゃんとおれのことを好きで一緒に居たくて、この家を出るつもりがないということなのかな。そうだといいな。でも、いつもおれが何か質問すると絶対に知らねーとか、知るかとかしか返ってこないのに、ちゃんと続くだろと言ってくれたので、そういうことなんだろうな。
    「ねえ、おれのこと好き?」
    「……………ん。」
    「おれも好き。これからもよろしくね。」
    「………おーー。」
    照れているのであろう耳の赤いカゲの腰に、後ろから腕を回しそっと抱きしめる。まだ火をつける前だったので、怒ることなく少しの間そのまま抱きしめさせてくれた。しばらく経った後、箸を置いたカゲはおれの腕を解いて正面に向き直り、勢いよくおれを抱きしめた。そのハグは一瞬だけぎゅっと力を入れてすぐ突き放すという雑なハグだったが、今までで1番強いハグでカゲらしくて嬉しかった。最後に照れ隠しで「飯作るから座っとけアホ」と言われてしまえば、愛おしさで笑うしかなかった。突き放された時に押された胸元を軽く撫で下ろし、今日も朝食を作ってくれる恋人の背中をゆっくり眺めるのだった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🙏🙏💒💒💒☺☺💴💴💴☺☺❤❤❤😭😭😭👏👏💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works