『予知能力で不治の病の人が苦しむ前に殺す完全犯罪者とそれを追う刑事』消灯後の個室の病室、7〜8歳の少年がベッドの上で半身を起こしてぼーっとしている。そこに現れる黒い帽子に黒のロングコート、黒のスラックスに黒の靴という黒づくめの男。
「辛いかい?君が望むなら、おれが痛みも苦しみもない世界に連れてってあげる」ゆっくりと男の方に視線を向ける少年「…だれ?」「見てわからない?死神だよ」「そっか。行きたくないって言ったらこのままここにいられるの?」「うん。君が本当にそれを望むならね」「ぼくはもう治らないんだ。でも、お母さんが頑張ってって言うから……」「辛くて苦しいのは君自身なんだ、君の意思が優先されるべきだよ。おれと一緒に来るなら自殺にはならない。君は何も悪くない」「…………じゃあ、」
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