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    sangatu_tt5

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    るろ月/探占

    #探占
    divination

    ……痛い、痛い熱い、痛いいだい!
    地面にのた打ち回りながら🧲は変質していく身体、激痛の走る身体を抱きしめる。
    力の入りすぎた指が腕の肉を抉る。
    ただ、欲しかった。金になると思ったのだ。誰もいないであろう廃墟は理不尽の化身のような血族の住処だった。
    誰のものでもないと思った金品は🧲の物になることはなく、今受けている暴力的な痛みの原因となった。
    自己のものに手を出された血族は怒りに狂い、🧲を痛ぶり、中途半端に血を与えた。
    血族へと変貌を遂げようとしている🧲の身体は筋肉が断裂し、血が溢れ、無理やり繋がり、修復されてく。人間の身体から化け物に成る。
    血反吐を吐きながら理不尽を恨む。
    暴力的で、圧倒的で、理不尽で、不条理で、不平等で、優しさの欠片もなく指先1つで自分の体を屠っていった。
    化け物だと言うことが、人間という声明の弱さが身に染みる。
    誰でもいい、なんでもいいから殺してくれ!この痛みから解放してくれと、異常に明るく身を照らしてくる月明かりに祈りを捧げる。
    わがままで、高圧的で人間らしい身勝手な願いに人影が差し込む。
    🔮「……生きているかい?あぁ、生きてはいるね。血族の仕業か……」
    白い男、月明かりを背負いながら白い衣に金の意匠と豪奢な仮面をつけたモノがこちらを見下ろしてくる。
    たんたんと現状を把握していく男に🧲は呆気を取られる。
    🔮「……可哀想に。どうしたい?君はどうなりたい?」
    キラキラと星屑が舞うような輝きを携え、🧲の瞳を独占する。
    男の言葉に🧲は縋り付くように言葉を漏らした。
    🧲「た、すけて……なんでもいい…助けて欲しい」
    この身体を駆け巡る痛みからなんでもいいから解放されたい。
    🧲「おねがいだ……助けて…お月様…」
    よく言えたねと月が笑って、🧲の近くに膝をつき、🧲の口に口を当ててくる。
    流し込まれた唾液は甘ったる蜜のようで、舌先の痺れを感じながら嚥下する。
    苛烈なまでに美しい月が心を奪う。


    設定⤵︎ ︎
    🧲→血族の住まいとは知らずな金銀財宝を売りさばこうと侵入し、血族の怒りを買った。
    下等な血族に変貌したが、🔮の介入もあり、🔮の体液がなければ生きていけない。中途半端な為人の食事も必要だが、陽の光を浴びると皮膚が焼け爛れる。🔮と共に血族になる旅に出る。
    🔮→月の化身。神の使いに近いため血族の味方でも人間の味方でもない。中間の立場。清廉なモノである為、血族に成った🧲との相性は悪い。
    契約により触れることは出来るが🧲に痛みが走る。体液摂取した際も🧲の腹は焼けるように痛い。
    🧲が正式な血族になると🔮との契約も切れるため、触れることは出来なくなる。🧲が焼け爛れて死んでしまうが、🧲はこのことを知らない。
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    sangatu_tt5

    MEMOこいぬちゃんぐさんの月蝕の元ネタだったやつ
    血族に売り飛ばされた🔮のるろ月(探占)
    売られてなどいない。自分で来たのだと言い聞かせる。
    愛しいあの子よりも自分が犠牲になる方がマシだと脳の中で繰り返す。

    🔮の住む集落の近くには血族の住まう森があった。不干渉。互いに見て見ぬふりをすることで薄氷の上を歩くような危うい均衡を保っていた。
    しかし、それは血族の気まぐれによってあっさりと瓦解した。
    血族の要求は簡単だった。村の中から誰でもいい。男でも女でも構わない。ただ、若者の方が良いが、生贄を出せ。
    身体を作り替えて、餌として飼う。
    もし出さないようであれば、ここに住まうものを皆殺す。
    理不尽な要求に村人は頭を抱え、村で1番美人な娘という意見が出たが、その女は村で1番の権力をもつ者の娘だった。
    娘を出す訳には行かない父親は、娘の恋人に白羽を立てた。
    親族のいない🔮は都合が良かったのだ。誰もが同意し、🔮は着たことのないほど豪奢な、まるで花嫁衣装のような白い服を着せられ、追い出された。
    血族の餌になる恐怖と見捨てられた悲しみ。🔮は震える手を祈るように握りしめて、古く草臥れた館の中に入る。
    🔮「…ご、めん下さい。要求の通り、参りました。」
    震える声で呼びかけるが、しんっと 1738

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    PROGRESSどこにも行けないセ探占ノートンの自室のベッドの上。腕の中の男は目に見えて身体を強張らせていた。手は出さない、と言ったのにな。ふうと小さく息を吐けばますます力の入った後ろ姿になんとも言えない気持ちになった。困らせている、と言う自覚はある。けれどそういう方法以外で穏やかな眠りを提供する方法など、ノートンには皆目見当もつかなかった。
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    尖った爪が🔮の頬に当たりながら、青い目を大きく見開かされた。
    ✂️「私が見えるだけでも珍しいのに……。これはこれは稀有な目をお持ちですね。本当に何でもするんですか?」
    🔮「……何でもする」
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    ✂️「治らないんですか?」
    困ったと俯き、✂️は思考を巡らす。
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