人と人形が共存している世界。場所的には中世なんだけど、人形たちが使用人のように人に仕えたり、大切に扱われたりしている。
🔮は型落ちした人形で🤕はそれを山奥の昔貴族が住んでいた屋敷で見つける。
錆びてネジが外れてしまった🔮は動かず、ゴミの中に放り出されていた。
それを拾った🤕は隠れて🔮を直して、仕事終わりに毎日会いに行く。
昔はベビーシッター用として扱われていた🔮は動きは鈍く、ギシギシと音を立てていたが、言葉は介せた。
拙く喋る🔮との会話は🤕にとって楽しいもので、その逢い引きは長く続いた。
ある日、🔮に逢いに行く途中の山道に桃がなっていた。よく熟れたそれは美味しそうで、🤕は🔮に食べさせたくなる。
「これ知ってるか? うまいから食べてみろよ」
切り分けた桃の一切れを🔮に差し出せば🔮は戸惑ったように動きをとめた。
「食べないのか?」
再度言えば、🔮は恐る恐る桃を口にする。
「甘いね」
そうこぼした🔮に味覚の機能などなく、桃を消化しエネルギーにする機能も搭載されていない。
口から摂取した桃は腹に落ち、ネジに絡まっていく。
「また持ってくるな」と🤕は次の日も桃を持ってきて🔮に与えた。
三日ほどそれが続けば、🔮の腹から桃の腐った甘すぎる匂いが漂ってきて動かない。
頭のネジを回しても、話しかけても🔮は倒れたままだった。
「おい、どうかしたのか!?」
問いかけに返事はない。
🤕が人形の修理屋に持っていけば、「桃が絡んでいるよ。これじゃあ壊れても仕方がない」と言われる。
「この子、旧式だね。食物をエネルギーに変換する機構が取り付けられていないよ」
その言葉に🤕は目眩がしてきた。
🤕が食べ物を与えてくれる目が優しくて、それが🤕にとっての愛だと理解した🔮がそれを受け入れた。
自分が壊れるとわかっていても。
🔮は直してもらって、元に戻る。
🔮は廃墟から引き取られて修理屋で働くようになる。
また通うようになった🤕は申し訳なさを感じていた。
「ねえ、🤕。私ね、先生に直してもらったんだけど。だからね、君から食べ物をもらってももう食べられるよ」
と🔮は腹を開いて、消化器官が取り付けられた内部を🤕に見せる。人形からすればそれが恥ずかしいことではないと分かっているけど、好きな子の中身を見てしまったショックと恥ずかしさと興奮で倒れる🤕と驚く🔮が見たい。
むっつりスケベショタ🤕は🔮さんのお腹の中見て鼻血垂らして倒れて欲しい。
倒れた後に夏の暑さのせいにして欲しい。
スプくんは孤児で幼いながらも働いてるんだけど、そこが人形工場だから次第に人形のこととか詳しくなって、勤勉だから沢山教えて貰える。
🤕は人形のメンテナンスの仕方とかも教えてもらって、🔮に「今日はこれを習って……」って報告してたら、🔮が「じゃあ私の身体で実践する?」って言い出して、震える手で、🔮の腹側の扉を開けて、中を覗いて、🔮に指示されながら構造を勉強する🤕
規則正しいリズムで動く動力源は真っ青な石で、🔮に「これがわたしたちの心臓。心なんだよ。人形の中でも自我があるのはこのコアが希少な鉱石だからなんだ」という。
触らせてもらえば透き通る湖のような色をしたそれは燃えるように熱くて、まるでオーバーヒートしているみたいだった。
「こんなに熱くて大丈夫なのか?」
「……本当は設計主とか、修理人とかしか見せないから……すごく恥ずかしいんだ」
頬を染めた🔮にそう言われて、ドギマギしてしまう🤕