泡沫の夢注意:人力修復後で『彼』がいなくなったあとの事。
最新の情報に関しては知りません。
幸せなロマぐだ♀を見たい方は回れ右を。
気が付くのは全てが終わった後。サーバントが増えているのにかかわらず。毎年のことなのに。チョコレートが一つだけ余る。
察しているマシュ、ダ・ヴィンチちゃん、付き合いの長いサーバンド、スタッフはわかっていると、たぶん、思う。
マイルームのベットに沈みこむ。見分けが付く綺麗にラッピングされた『それ』を見る。もう渡すこともないバレンタインチョコだ。毎年のことなのに、なぜか作ってしまう。気持ちと言うのはやっかいなものだなぁーっと。
カルデアの台所の守護神達の手を借り作り、お世話になってるサーヴァントに配り終える。
疲れたけど、楽しかったなぁ。
次第に重くなる瞼を閉じる。
「物語はやはりハッピーエンドが一番だ」
遠くなる意識の中で声がした。もう、その言葉に反応する余裕もない。
自分と似たオレンジ色の髪。ゆるい癖の長い髪をポニーテールにしばり、誰よりも疲れているのに、自分よりも他人の心配ばかりする『あの人』。
「ドクター、お疲れ様です。よかったら、これでもどうぞ。」
恥ずかしい、口をにやけるのを我慢して『彼』にそれを渡す。相手は目を丸くして、にっこりと少年の様に笑うと「ありがとう!ちょうど、甘いものがほしかったんだ!」っと。
「ちょうどいい、せっかくだから休憩としよう」
そうして、いつかのように『彼』が淹れてくれた蜂蜜いりミルクを一緒に飲む。もう訪れる事ない日常。嬉しいはずなのに、胸がぎゅっと痛み泣きそうになる。
幸せな夢なのにーーー
マスターにひと時の夢を。