年が明けて間もない冬休みのある日、両親とともに親戚の家へ挨拶にやってきたもののすぐに大人たちはお酒を飲み交わし騒ぐことに夢中になってしまい、手持ち無沙汰にな宮原はなんとはなしに出かけた散歩の途中ぴたりとその足を止めた。
「サイクルショップ……」
木製の看板が可愛らしいそのお店は住宅地の中にあってあまり大きくはないけれど、展示されている自転車は彼女の幼なじみが乗っているものとよく似たデザインだったので。
思わず覗き込めば自転車乗りと思しき人と、店員さんらしき人が談笑しているようで雰囲気も悪くなかった。
「……」
ちょっとだけ、入ってみようかしら。
心の内で呟いてみる。
べっ、別に他意はないけど? お年玉もらったばっかりで懐暖かいし? 二学期の終業式に先生からこの調子で行けば進学出来るって言われたからお祝いっていうかご褒美っていうか。
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