【番外編2】捨てる神あれば拾う神あり 桜前線が北上しますと天気予報でアナウンスされて2日目。アパート近くの公園の桜は5分咲きといったところだ。
日中に暖められた空気は、陽が西側に隠れようとすると途端に冷やされ、肌寒さが戻ってくる。コートを羽織り、夕飯の買い出しに出掛けたゴジータとベジットは、いつものルーティンでスーパーからの帰りがけに商店街をぶらぶら見て歩いている。
ふと、ゴジータが米屋のガラス戸に貼られたポスターの前で立ち止まった。
「福引券、今日までだな」
「あ。そういえば、一回は引ける」
「せっかくだから寄っていこう」
「おう!」
毎春の商店街のイベントで、期間内に商店街で買い物をすると一定金額以上で貰える福引券は、下位賞で商店街で使える割引チケットが貰えるとあって中々好評だ。
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