可愛いあの子はガチゲーマー(前日譚)イデアが監督生を意識したのは、ある日の歴史学の授業だった。
対面参加の授業を避け続けていた彼の元に、額に青筋を立てたトレインが現れたかと思えば、
「次回の授業に出ないのならば単位は出さない。…来年度もよろしくな、シュラウド。」
と、横暴とも言える言葉を残して立ち去ったからだ。
おっかなびっくり最後列の角席を陣取り、フードを被って気配を消していた時、自分の目の前の席に着いたのが、あの監督生なのだ。
ハートとスペードのトランプ兵で両脇を固め、グリムを抱えた彼女は既にちょっとした有名人で。
曰く、リドル・ローズハート寮長公認の名誉ハーツラビュル寮生。
(毎週の様に開かれるお茶会に、招待状まで貰って参加しているらしい。)
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