未完の綴至淫紋ネタ 身につけている真っ白いワイシャツのボタンに指かける瞬間、綴はいつもエリート商社マンとして働く至の姿を思い浮かべる。仕事が早く、ミスが少ないのはもちろんのこと。人柄は穏やかで優しく、容姿は端正。立っているだけで絵になる。まさに頼れる同僚であり、理想の部下であり、憧れの先輩だ。綴はそんな至の別の一面も知っているのだが、それはそれとして。一度スーツを身にまとえば、彼はオフィスに咲く高嶺の花のような存在になった。そんな至の肌に、今夜自分だけが触れることを許されている。その事実が綴の胸を高鳴らせた。
「えっ」
シャツのボタンを、上から順に外していく。インナーめくれば、至の脂肪も筋肉もない薄い腹が現れる。そのはずだった。
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