部下にヘキがバレるオキーフの話 彼はいつだって、疲れたような顔をしていた。
下がった目じりは生来の物かもしれないがなんとなく眠そうに見えるし、濃いクマがそれを誇張する。
溌溂とした印象はなく、その地位にふさわしい実力や所属に見合った頭脳を持っていたとしても、これまで見てきた上司のようにいきなり拳を振り上げたり怒鳴ったりして暴力に訴えるタイプではないだろうし、かといって性的に旺盛でもない、ということもわかっていた。
だから彼が、たらふく飯と酒を与えた後、薬で深く眠った私に何をしているのか、単純に気になったのだ。
一度目はきっと本当に、私がアルコールの加減を間違えたのだろう。だが二度、三度と続けばさすがに考えずにはいられない。
抱かれたような形跡はなかった。危なっかしい人生を送ってきたので自分でも意外だが、私は処女なのだ。彼が完璧に痕跡を消そうとも、さすがに破瓜すれば私自身がわかるだろう。
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