片恋同盟 月が綺麗な夜、アラジンはまたしても酔っ払った白龍に絡まれていた。しかも今回は向こうからアラジンの元へ来た。酒と彼お手製のつまみを持って。
ことの発端は先月、紅炎に飲まされた白龍が一人飲み中のアラジンの元へ転がり込んだ時まで遡る。彼は絶賛紅玉に片思い中のアラジンをしばらくイジって遊んだ後、義兄の紅炎を好ましく思っていることを事故的に露呈させてしまった。思い返してもそれは見事な自滅だった。白龍が自分で墓穴を掘って勝手に埋まる様子を、アラジンは眺めることしかできなかった。
「アラジン殿、また懲りずに姉上へ土産を持っていってましたよね。最近どうですか?」
「な、なんでこの前話したこと覚えてるんだい?」
「先日は無様を晒したので、この際最後まで付き合ってもらおうと思いましてぇ」
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