五条くんだけが知ってること 呪術専門執行機関東京本部。
前で言う高専にあたる日本の呪術界の要だ。呪術師の育成から任務の斡旋、それから呪術の素養のある者のスカウトなどをこなす政府公認の特殊機関。前じゃ考えられないぐらい、僕ら呪術師の待遇が良くなっているこの世界。更には呪術師の人数も桁違い。
特級呪術師は前同様、僕と憂太と九十九の3人だけだけどそこまで忙しくはない。
「あーぁ、うまく行かないもんだねー」
呪術専門執行機関東京本部…略して呪専にある僕の執務室。傑と共用で使うことを思って、広いスペースにしたのに傑は僕の隣にいない。
このだだっ広い執務室の僕専用デスクに上半身を寝そべらせながら、溜息をつく。そんな僕をほっといて部屋の中央に設置されてるソファに座っている硝子は、難しい顔でこめかみに指を当てて記憶の整理をしている。そこそこ時間がかかっているからせっかく硝子の為に淹れたコーヒーは、いくらか冷めていた。
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