初冬長い髪を指で巻き取ってみる。
御神苗は眠たくなるまでジャンの髪の毛で遊んでいた。本人とは真逆にしとやかな髪はひやりと冷えている。それを一束顔に乗せれば、自分と同じシャンプーの匂いがした。
布団の外はすっかり寒くなっていたが、ストーブに手を伸ばすことすら億劫だったので、二人はお互いの体温で暖を取っていた。ジャンの方は御神苗を無視するかのように布団に潜り、ベッドから足が出ないよう猫のように丸くなっている。
さっきまでの汗が体温を奪いながら乾いていく。風邪をひいてしまうかもしれない。御神苗が身震いするのを感じてか、ジャンは御神苗に多めに布団を譲った。伸びてきた腕をすかさず掴んで、ジャンの体を抱きしめてみる。
897