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    fukuske5050

    たまに文章書きます
    その時その時でだーーーーって書きたい部分だけ書いているので突然始まって、突然終わります…
    ▪️書いてるもの
    ・どらまいどら(のつもり)

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    fukuske5050

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    バイク屋ドと梵マ
    ワンドロであげたお題「春」の元のヤツ。書いてたら楽しくなったので、できたら最後まで書けたらいいな…😖
    ドラマイ/マイドラ(どっちにもなっていないよ!)

    #ドラマイ
    drabai
    #マイドラ
    mydra

    春待ち(続きを書く!)11 : 
    「オマエが過去を捨てる覚悟があるんならそいつを解放してやろうじゃねえか」

     この国で起こる凶悪と肩書のつく犯罪の背後には必ずといっていいほど関わりをチラつかせる犯罪組織「梵天」。その組織の相談役という肩書を持つ男の言葉が果たしてどれほどまでに信用できるものなのか。龍宮寺は目の前のソファに深く座る男の顔を睨みつけた。
     両手をひとまとめに後ろ手に捕らえられ、コンクリの床に乱暴に投げ出された。床にこすった頬を拾われて、顎を掴まれ、力任せに顔を持ち上げられた。猿轡を噛まされた口元に自由はない。ふうふうと荒い呼吸がせいぜいだ。流した血液が眼球に滲んで視界が霞む。
     皮張りのソファにどかりと腰を下ろして値踏みするような目を向ける男の顔には特徴的な大きな傷。やつれ険のある眼差しは記憶にあるそれとは大きく異なってはいたが、龍宮寺がそれに驚くことはない。
     容貌が変わり果てたのは目の前の男だけでは無かった。足元に投げ出された男の変貌こそが、なにより龍宮寺には信じがたくなによりも痛ましかった。
     振り返ればたった4年。けれどこの先どれほどに長く波乱な時を過ごそうとも、比べようのないほどに濃密で溢れんばかりの激情が満ち、色鮮やかな忘れようのない時間。
     時に幼さの残るきんいろの笑顔を向け、時に滾る熱を放ち、他を圧倒的な輝きと強さで制してきた。かつて龍宮寺のすべてだった男。それが今や黒い病に憑りつかれ蝕まれた姿で龍宮寺の目の前に転がされている。
     閉じられたままの目はひくりとも動かない。色素を失った白い髪が爛れた目元にかかる。青紫いろの唇はしまりなく緩く開いて細い唾液を垂らし、骨を覆う肉の感触のない薄い輪郭は尖った顎ばかりが目立つ。頬骨から顎のそげた頬にはひっかき腫れた傷口が浮かぶ。首には征服の証のように捩じったどす黒いうっ血した形跡さえ見える。
     身にまとった黒いシャツが捲れて抉れた腹を晒しす。細いうなじには頸椎がぼこりと浮いて組織の証である入れ墨がはっきりと刻まれていた。
     横たわる男の有様に龍宮寺は目を反らせない。用済みだといわんばかりに投げだされたさまに呼吸を奪われ、全身から怒りがふつふつと込み上げる。拘束された手足が震え、強く酷く自責の念に目が眩む。
     けれど龍宮寺の覇気はけして萎えてはいなかった。ありったけの力を振り絞って食いしばり顔をあげ、目の前の男に睨みを効かす。それは紛れもない、比類なく強さと輝きを誇った東京卍會の副総長、龍宮寺堅の目覚めだった。
     男は龍宮寺のその目に怯むことも怒号することもなく、可笑しなものを見つめる目をして口の端を歪めて笑う。
    「いい目をしてるじゃねぇか」
    まるで合格だとでも言うように。
     おかしい。そう思ったのはその時だ。この男の肩書が噂通りのものなのか、龍宮寺にはわからない。かつて龍宮寺が不良と呼ばれる者たちの界隈で名をあげたのはいっときのことだ。その威光が未だ消え去っていないのはチームの名とその総長である佐野の存在があってこそのものだ。龍宮寺自身はとうに堅気になって地道な毎日を過ごしている。いくら相手がしがない一般人たったひとりだとしても、梵天の幹部も幹部、古株の男が果たして雑魚の部下たったひとりを従えてのこのこと姿を現すものだろうか。なにかが、不自然だった。
     自分のまわりにどうやら胡散臭い存在がちらついていたことは薄々わかっていた。昔の素行からその筋から目をつけられていることも、それこそ梵天の首領が佐野であるならば、その繋がりを右からも左からも疑われるだろうことも安易に想像がついた。
     けれど梵天との接触は一切なかった。皆無だった。どんなに龍宮寺が探っても手を伸ばしてもその動きは筒抜けのように手を伸ばした先からかき消され、手の届くことのない世界に佐野はいた。
     それを突然に拉致されるようにして手足の自由を奪われて、長くかすりもしなかった相手との再会だ。なにをどう考えればいいのか整理もつかないまま、ただ目の前に横たわる男が追い求めた佐野万次郎だと告げられた。

    「その男をオマエにくれてやる」
    ふーと明石が吐き出した煙は、溜め込んでいたわだかまりそのもののように長く深く吐き出された。
    「ただし、ただじゃやらねぇ。オマエが過去の一切を捨てる覚悟があるならば、だ」
    咥えた縛りに歯をたてて龍宮寺は喉の奥を鳴らしてその言葉の意味を探る。
     カチリ、と明石はライターに火を点てる。右手には古めかしいライターと、左手には火炎瓶が握られていた。
     ぼうっと音をたてる小さな焔に明石の苦悩が揺れる。立ち上がり、横たわる佐野の長い前髪に指を這わし枯れた顔を覗く。眠るような佐野に、明石は目には留まらぬほどの僅かな笑みを向ける。
     これで最後だ、と思う。これでオマエの残像を追うことは最後なのだと、空高く突き抜けた場所にいる男に告げる。
    「オマエが無事に逃げ切れれば晴れて放免。解放してやる。どこにでも好きなところへ行くがいい」
     龍宮寺が眉を潜めると、明石は握る火炎瓶に火を点け部屋の隅へと投げつける。驚きに声を挙げる龍宮寺とボっと炎が音を立てるのと、明石が扉の外に走り出したのは同時のことだ。立ち上がる炎の向こうで振り向いた明石の目が刹那に龍宮寺に向けられる。
    (逃げろ。せめてオマエたちは)
    そう告げる声がした。
     炎と煙がぐるぐると円を描いて立ち込め充満し、赤く光り爆音を放ったのは一瞬のことだった。

     悪名高き徒党。その名を「梵天」という。けれどその名が高らかだったのは過去のことだった。首領である佐野万次郎がビルの一角から身を投じたのは1年も前のこと。一命をとりとめたものの、事故の後遺症で足の腱は切れ拳も握れず、心には少しばかりの障害を残した。元々は佐野の覇力で築き上げた王国だ。崩れるのはあっという間のことだった。
     常に佐野の脇を固めていた三途の行方が知れず、鶴蝶は絶命し、望月は国外へ飛んだきり消息不明となり、ふたりの灰谷もとうに消息の追えない状態だった。国内外の口座は閉じられ抑えられたからには九井の生存も判断がつかない。
     梵天は地に堕ちていた。限界はとうに超えていた。佐野の命があることが不思議なぐらいだった。法の手が佐野に延び、鎖でもって縛り付けるのはもう時間の問題だった。
     それだけは。それだけはならない。この弱りはて涸れ果てた男を、平等に法のもとに裁いて檻の中に押し込み繋ぎ、ただ死の判決を下されるまでの不明な時間に縛りつける結末を、この男に下すわけにはいかなかった。
     そんな顛末は飄々として天下を手放した男の面影を色濃く残すこの男に似つかわしくはない。明石を捕らえて離さないあの男と同じようにまた、道理の及ばない末路に沈むことは許さない。
     せめて。この男には己の望む高らかな死を。
     せめて叶わなかった夢のかわりに。あるがまま生き、あるがままの欲した生き様の末、ありのままの死を。
     明石は最後の賭けに勝つために龍宮寺を呼び寄せた。
    ――――――――――――――

    2: ココ サンズ

    病院で目が覚めるドラケン
    こめかみのタトゥは焼かれて簡単な手当て(手術どのくらい時間がかかるか)
    目が覚めたら目の前にはココ
    逃がしてやるからその代わり二度と渋谷には帰って来るな
    それはアイツを巻き込むなってことか
    平穏に暮らせてやってくれ オマエのまわりはもう平穏無事にはいられねぇってこと わかってんだろ
    オマエが言うかよ
    …そう、だな オレもアイツの平穏には邪魔には違いない
    目の前には車椅子に乗ったマイキー
    命は無事だ 脚の腱が切られてる もう自力で立つことは叶わない
    それに薬の後遺症も残る 意識がたまに その混濁する 昔と今と行ったり来たり 切れたあとがどうなるかはわからねぇ
    テメェ いったいマイキーに
    客だ 招かれざるってヤツだがな
    車は用意してある

    サンズと誰か(運転)
    いいか
    ゼッテェ生き延びろのたれじぬんじゃねぇ
    その方を手放すな 何が何でも
    命に代えてもなんて口にするんじゃねぇ
    必要なのは鉄砲玉でも 盾になるヤツでも身代わりでもねぇ
    地の果てまで連れ添って 生きろ 生き延びろ

    車爆発
    吹き飛ばされる

    マイキー庇って転がって気を失う

    3:タイジュ

    教会で目が覚める
    オレが自分の意識でオマエに手を貸すと思うか?
    …ミツヤ…か
    オレはアイツを日本から連れ出したい
    この国から出てなんの未練もないところでもう一度夢に向き合わせたい
    それにはオマエが邪魔だ
    オマエの亡霊に取りつかれたまま生きている
    だから オマエは生きて オマエの人生を生きて アイツをオマエの呪縛からアイツを離せ

    オマエとソイツをこの国から追い出してどこかで生き延びて互いにもう相棒なんかじゃないってことをアイツに知らしめろ

    4:フィリピン-

    マリア その顔は慈愛か憐れみか
    ここは この場所は流れ着いた堕ちた場所じゃない
    這い上がる場所だ

    ここで眠り ここで学び ここで営み いつか神の照らす光の元ヘ帰るため誓いを魂に焼き付ける場所
    死をさえ飼い慣らして
    安らかな眠りに祈る場所なんかじゃない

    オマエがそれを望んだなら

    どのみちオレにはオマエの精子を生かせない
    オマエの遺伝子を残せない
    これが罰か なによりも望んだオトコの命を紡ぐことが叶わない
    これが このオトコを手に入れたオレの罰か
    ならば アイツは
    愛したオンナの命を救うためにいったい幾つの時系を狂わせた いったい幾つの時空を狂わせた
    いったいどれだけの罪を背負い続けている

    マリア
    そこで見ていろ
    オマエの傘に隠れて いつか オレは オレたちは
    オマエの愛し子がそうしたように
    オレと愛する者が生けることの叶う世界を手に入れる
    オレの「世界」を手に入れる


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    fukuske5050

    MOURNING本誌済み
    真とワカとマ
    ※マは本誌の病状です さすったりしてます こういうことをしてよいのか悪いのか、調べていません
     顔色が悪いのは真一郎の方だ。僅かに自由になる時間さえも、病室でひとり横たわり、管に繋がれたまま意識のない弟の傍らから離れない。ただ生き永らえているだけのそれから離れない。医療も奇跡もまやかしも、真の最愛にできることはそれだけしかないからだ。
     万次郎のため。そのために真一郎の生活は費やされ自分のための時間は皆無に等しい。食べることも、眠ることも惜しいのだ。怖いのだ。少しでも目を離した隙に呼吸を漏らした隙に、必死に抱えた腕の中からサラサラと流れ落ち、万次郎が失われていく。
     蝕まれているのは真一郎の方だ。若狭にはそう思えてならなかった。

     職務の休憩時間に万次郎を見舞う真一郎に合わせて万次郎の病室を訪れる。それは万次郎のためではない。真一郎のためだ。若狭にできるのはその程度でしかない。訪れた若狭の呼び掛けに答えた真の声は枯れて夜明けのカラスのようだった。ギャアと鳴いてみせるのは威嚇なのか懇願なのかはわからない。せめて水を、そう思って席を外し、帰ってきた病室で見たものは。
    1853

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    fukuske5050

    MOURNINGド誕のつもりで書き始めだけれども…😭下書き状態でだいぶ意味不明ですが…いろいろ無理だった⤵️⤵️
    ドがひとつ年を取るのはマが身を削って頑張った証、と思って書きました
     やっと軌道に乗ったバイク屋の灯りが消えるのがは遅いのは毎晩のこと。営業時間を終えると共に店を営む相棒が先に店を出る。アイツは店にひとり残りデスクに向かい、辺りが暗くなった頃にやっとシャッターに鍵をかけて帰路へと向かう。
     跨るのは丁寧なメンテナンスを繰り返した昔と変わらない愛機。同じ商店街で挨拶ついでに総菜を買うか、遅くまで開いているスーパーで買い物をして帰るのが日課。渋谷の繁華街にある実家を出て、安アパートにひとり移り住んでからは一層堅実に生きている。
     けれどその日だけは閉店作業を終えると早々に店を出る。少しばかり遠回りをして、昔なじみの店で懐かしい味の甘味を2つ。時代に合わせるように改装した小洒落た店構えと女性向のメニュー。いかついツナギ姿の男がひとり、不釣り合いな店に入れば一斉に注目を浴びて少しばかり肩身が狭い。遠慮がちに店員に声をかけると、店員は古参なのか訳知り顔で表情を崩すと店の奥に声をかける。かけられた声にぱたぱたと小走りに姿を現したのは母親のような年代の店の主だ。にこやかに目じりの皺を緩ませて、小さな茶色の包みをアイツに手渡した。
    2403