五伊地
この世には二通りの人間しかいない。
一つは五条悟を恐れる人間、もう一つは五条悟と付き合える人間。
五条悟は甘い物が好きだった。
ありとあらゆる甘い匂い、味、香り。
高価な物からチープな物まで…とにかく自分を満たしてくれる。
夏祭りに来た時、あんず飴の屋台で店主とじゃんけんをして、勝ったからもう一個もらえた。
甘い水飴は歯にくっつく、それが煩わしいと思わない人間だ。
モナカの皿ごとパリパリとかじり付き、五条はサングラスの間から周りを見渡す。
「つーか、傑来ねーじゃん。っんだよ…つまんねー」
待ち合わせに遅れてくるのはいつも五条の方だった。
そのためワザと夏油と家入が早めの時間を指定していたとは知らず、待ち合わせの場所に来ていた。
1977