Re:スタートこの、何でも見通す、忌々しい碧い瞳は自分の死まで見通してしまった。
死ぬことは呪術師としては避けられないこと。それは、とうに覚悟はできていたし、時間や病に殺されるより、悔いなく逝ける。と清々しい気持ちもあった。
しかし、今の五条には死んでも手放せないものが出来てしまった。
初めて自分から手を伸ばし、その胸に抱いた愛し子、虎杖悠仁だけは自分の手で幸せにしたい。心が純粋で真っ直ぐな悠仁を他の誰にも渡したくないと、死を目前にしても諦められなかった。
どうすればいいのか五条は戦いの準備を整えながら思考を巡らせていた。
そして、五条は1つの結論に思い至る。
自分の死後に、産まれる赤子に五条の魂が受肉すればいいと…そこには恐ろしいほどの悠仁への執着のみがあった。
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