いつかの休日 午前中の方が集中出来るのでは、と早めに部屋に上げてそれぞれテスト前の追い込みに集中していた。
「……ん、もうこんな時間か」
通りで腹が減った。
「え、あ、もうお昼?」
「今日はサーモンクリームパスタにしようと思ってるんだけど大丈夫?」
「えっ?」
「作るよ。ちょっと待たせちゃうけどいいかな」
恐縮させてしまったアラタを残し、キッチンに立つ。鍋に湯を沸かしつつサーモン、水菜、玉葱を適当に切り分けて、フライパンに放り込み冷蔵庫から生クリームを出しておく。
「アラタ、豆乳は大丈夫?」
「うん。…あの、手伝おうか?」
「いや、大丈夫。そう複雑なことはしないから」
豆乳も出してしまって、フライパンの中身を気にしながら生クリーム共々口を開けて置いといて、しんなりしてきたあたりで流し込んだ。後は少し煮込んでコンソメやら何やらで味を整えてやればいいし、スパゲティは茹でるだけだし本当にそう複雑ではない。
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