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    vi_mikiko

    @vi_mikiko

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    vi_mikiko

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    降志ワンライ27回開催のお題お借りしました
    そろそろ書き始めないとやばいのでリハビリ
    CP:降志
    時間:30mくらい
    お題:「卒業 家探し 嘘でも良いから」

    卒業 家探し 嘘でも良いから 引っ越しとなると突然部屋が広くなる。比喩ではなく事実だと思う。ラベンダー色のベッドもサッカーチームのマグカップも、機能性を追い求めたデスクも研究所顔負けの薬品分析装置も、この狭い空間にあったと思えない。
     彼女の存在がこの部屋に質感を与えていた。時には麗らかに、時には冷ややかに、時には柔らかに。宮野志保は、空間を彩る芳香剤のような女性だった。
     規則の通り公安警察が用意していた家に住み、一日の行動を報告し、与えられた任務をこなしていた。もう、国家の庇護から卒業する時期だった。
     ブラインドから差した細い光が細かい埃を捉える。瞬きした瞬間、家主をなくした彼らが自然と群れを成し、その影を形作る。
    『来年からも、一緒に住む?』
     彼女の顔が目に霞み浮かぶ。
    『なーんてね』
     その眼差しは、壁掛けのカレンダーの四月一日を捉えていた。
     カレンダーを見る前、彼女は僕を見ていた。
     僕の反応を見ていた。一瞬の間が、命とりだった。
     嘘でも良いから一緒にいたかった。
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    あんちゅ

    MAIKINGそしかい後、元の姿・宮野志保へと戻った灰原と、そんな彼女の隣りにいる降谷の話
    「君は、虹の素が何か知っているか?」


    タイトルは某アイドルのカップリング曲からお借りしてます。デビュー時から見守ってきたアイドルのユニット曲が宮野志保にしか聞こえなかったもので…。
    灰原哀には大切なものができたけれど、宮野志保は明美さんとの時間以外は空っぽの状態だろうなと。降志になる前の冒頭を少しだけ😌
    虹の素知らされた時にはすべてが終わっていた。

    「…そう。」

    小さく呟いたその一言が私が唯一抱いた感想だった。


    気づいてはいた。
    あの強大な組織を相手に、最終局面を迎えんとしていること。
    ずっと試作を続けてきた解毒剤の効果が3、4日は維持出来るようになったことに1人の少年が勘づいていること。
    そして、それを私に黙って持ち出していたこと。


    わかってはいた。
    彼らは例えその最後であろうと、私には何もしらせないこと。
    知らせないことで私を危険から遠ざけようとしていること。
    そうすることで私を守ろうとしていること。

    そして、
    それが彼らのやり方であること。





    組織との大規模な抗争が終わったことを告げたのは工藤だった。
    いつものように博士の家に我が物顔でやってきた彼はなんてことの無いようにさらりと告げたのだった。
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