幸福と罪と罰を「いつか罰を受けるんだろうな」
ロナルドは足元に散らばる退治し終えた塵を眺めながらいった。
誰かに問いかけたかった訳ではなさそうだが、そこにいるのはロナルドと足元の塵、そしてその塵の同胞であるドラルクだけである。
ドラルクは言葉を発さない代わりに、沈黙で相槌を打った。
「正義を騙って吸血鬼達を沢山殺してきた。だから俺は…いつか背負いきれない罰を受けるんだ」
ロナルドはそういうと視線を足元からドラルクへと向けた。
少々センチメンタルになっているのかと思いきや、片側からしか確認出来ない彼の青い瞳には″後悔″や″懺悔″というものは無かった。
寧ろドラルクは彼のぶれることの無い真っ直ぐな瞳を美しいと思った。
自分の正義は誰かにとっての悪である。
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