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    saku2442

    pdl 荒新の字書き
    幸せな推しの妄想をするのが日課です

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    saku2442

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    スイカの日らしいので、荒新にスイカを食べてもらおうと思ったらイチャイチャされてしまった。

    「靖友、スイカ食おうぜ!」
     新開は楽しそうにスイカ一玉を両手で持ち、見せつけるようにこちらへ突き出した。
    「……おまえ、それ買ったのォ?」
    「うん。近所のスーパー行ったら、なんと特売で一玉千円だったんだぜ!」
     キラキラと瞳を輝かせ自慢げに話す新開は正直可愛い。
    「二人で一玉食うのかヨ」
    「え、オレと靖友なら普通に食えるだろ」
     こてんと首を傾げる仕草に、わざとなのかと少し疑ってしまう。返事せず黙って新開を見つめていると、今度はキリッと上がっていた眉が下がり始める。
    「……靖友、食いたくなかった?」
     しょんぼりと呟く姿に、これが全部計算だとしたら、こいつかなりあざといよなとか思う。でも計算じゃないのは知っているし、何よりこいつの行動全部が可愛く見えるオレがおかしいんだよ。「食うヨ。でも一回で一玉はダメ」
    「三分の二は?」
    「四分の一」
    「え~! それじゃぜんぜん足りねぇよ」
     普通は四分の一を二人で半分で普通だろ。けれど懇願するように見つめてくる瞳に根負けしてしまう。
    「わーった、半分な。それ以上は絶対ダメ」
    「……わかった」
     立ち上がり渋々返事する新開へ近づいてから、顔を覗く。
    「今日半分で、明日も半分。楽しみが増えたと思わねェ?」
     軽く頭を撫でてやると、パッと表情が明るくなって大きく頷いた。
    「そうだな! 一回で食っちまうのもったいねぇよな」
     くりると振り返りいそいそとキッチンへ向かう姿を見つめながら、こういうところはチョロいんだよなと笑ってしまう。スイカは九割水分だから、さすがに食い過ぎは冷えるし何より腹壊したら大変だろ。食い物のことになると加減を知らない新開を止めるのはいつも大変だ。
    「よし、食おうぜ」
     鼻歌交じりに戻ってきた新開が目の間に出したのは、四分の一に切られたスイカ。思わず目が点になって固まるオレの横で、いただきます、そう言った新開はそのスイカにかぶりつく。
    「ん、靖友、これ甘い!」
     へにゃりと笑った新開の頭を思わず叩いてしまった。
    「おまえさァ、普通こういうのはもっと食いやすく切り分けんだろ!」
     叩かれた頭を押さえてきょとんとする新開へ怒鳴りつけると、また首を傾げられる。
    「これ食いにくい?」
    「どーみても食いにくいだろ! せめてもう半分に切ろヨ」
    「ん~、食ったら一緒だと思う」
     悪びれもせず答えられ、それ以上の言葉が出てこない。しかも新開はオレのことなんか気にせず、またスイカへかぶりつき出す始末だ。こうなると何を言ってもムダなのはわかっている。かといってキッチンへ行ってこれを自分でまた切るのも面倒くさい。もういいや、諦めてオレもそのままスイカへ齧りつく。瞬間口の中にみずみずしい甘みが広がって、思わず顔が綻んだ。
    「これ、マジで甘ェな!」
     口の端に付いた果汁を舐めとるようにしてそう言うと、ポカンと口を開けた新開と目が合う。
    「新開?」
     覗くように顔を近づけると、スッと視線を外される。窺うようにもう一度、視界へ収まるように動くとまたすぐ逸らされてしまう。
    「なァに、逃げてんだヨ」
     手に持っていたスイカを皿へ戻し、新開の顔を掴んで無理やりこちらへ向かせた。
    「……いや、その、スイカうまいな」
     何を考えているのか、しどろもどろに答える新開の頬はほんのりと赤く染まっている。
    「まさか、おまえ……エロいことでも考えてた?」
     ボンっと音が出そうなくらい真っ赤になった新開の顔に、図星かよと思わず笑ってしまう。
    「へー、新開チャンはスイカ食いながらエロいこと考えてんだァ。やらしーの」
     耳元で囁くと口をパクパクさせて、泣きそうなくらいな眉が下がっていく。
    「だって、靖友が」
    「オレが?」
    「……なんでもない」
    「んだヨ、ここまできたら言えヨ」
    「ヤダ、言わない」
    「ふーん、じゃあ意地でも言わせてやんヨ」
     スイカの甘い匂いを漂わせた唇に、自分のそれを重ね軽く吸い付く。ビクりと身体を震わせた新開の後頭部へ手を回して、口づけを深くしていけばすぐに力は抜けて縋るように手が背中へ回ってくる。

     この後どろどろに甘やかすようなセックスして、ぜーんぶ聞き出した。それからぬるくなったスイカを二人で食べることになったけど、それはそれでうまかったって話。
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    saku2442

    DOODLE大学生荒新
    お昼時にメッセージのやり取りをする荒新のお話。待宮さんも登場します。
    だって、君は特別。
     うどんを一口すすったところで、テーブルの上のスマホが震えた。すぐに止まったそれは、通知を知らせるためにピカピカ光る。箸を置き、代わりにそいつを手に持った。素早くロックを解除し、送り主を確認すると想像していたヤツからのメッセージ。
    『うまそうだろ!』
     その一言と共に送られてきた写真。そこには分厚いカツの乗ったカレーが写っていた。昼食にしては中々のボリュームだが、こいつなら平気で平らげるだろう。口いっぱいに頬張り、幸せそうに食べる姿を思い浮かべ自然と口元が緩む。
    『うまいからって早食いすんなよ』
     そう文字を打ち込んでから、テーブルへスマホを置き食事を再開させた。
     新開はこうして、自分の食べる物を撮ってよこすことがある。それ以外にも澄んだ青空、季節の花や路地裏の野良猫。何気ない日常を切り取ったようなそれらに、オレはいつも癒やされている。本音は恋人の写った写真の方がいい。けど自撮りが下手なこいつは、まともな写真をよこしたことがなかった。たまに福ちゃんが送ってくれる写真の方が、よっぽど上手く撮れている。
    2084

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