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    saku2442

    pdl 荒新の字書き
    幸せな推しの妄想をするのが日課です

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    saku2442

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    大学生荒新
    眠る前に少しでも一緒の時間を過ごしたい。そんな二人のお話。

     今日も一日を終え、眠りにつこうとベッドへ潜り込む。そうして明かりを消した瞬間、枕元に置いたスマホが通知を告げた。手繰り寄せ明るくなった画面を覗くと、メッセージが一件きている。すぐに開くとそこには大切な人の名前。
    『靖友』
     たったこれだけ。でもこれは無理に返事しなくてもいいよう、新開が気づかってくれてるのをオレは知っている。
    『どうした?』
     短く返事して、次のメッセージを待つ。するとすぐに相手からも短い返事がきた。
    『寝てた?』
    『寝てねーよ』
    『そっか』
    『おまえこそ寝る時間じゃねーの』
    『うーん、そうだけど』
    『けど?』
    『靖友なにしてるかなーって』
     メッセージを見た瞬間、ふわふわと微笑む新開が浮かんでくる。同時に会いたい気持ちが膨らんで、気づけば通話ボタンをタップしていた。
    「え、もしもし」
    「もしもーし」
    「靖友、どうしたの?」
    「いや、アー、……直接話したほうが早くねェ?」
     しばしの沈黙の後、くすりと笑う音が聞こえる。
    「うん。オレもそのほうが楽しい」
     ひどく甘く耳に届いたその声に、どんな顔して言っているのかすぐにわかった。同時に胸がキュンとして、余計に会いたくて堪らなくなる。ばれないよう細く息を吐き、表情筋を引き締めた。ビデオ通話ではないのだから、ここまでする必要はない。でも顔と一緒に気持ちまで緩み過ぎて、変なことを口走りそうだったんだ。
    「そうそう靖友。今日バイト先で聞いたんだんだけど近くにおいしいデザート出してくれるカフェができたんだって」
    「カフェ?」
    「そう、なんかクロワッサンとワッフルが合わさったデザートがうまいらしい」
    「へー……って、なに? もしかして食いに行きてェの」
    「あ、うん。……行きたいなとは思った」
    「福ちゃんと一緒に行ってこいヨ。そういうとこなら、アップルパイもあんだろ」
    「……うん」
    「え、なに? もしかして福ちゃんに断られたのか」
    「いや、そうじゃなくて」
    「なに?」
    「あの、その、話してくれた子がさ、えっと彼氏と一緒に行ったんだって」
    「うん」
    「でさ、めちゃくちゃ楽しそうに話すもんだから、その……」
    「その?」
    「いいな〜、とか思っちゃって……オレも、靖友と行きたい、な、とか、ね」
     だんだん小さくなっていく新開の声。それでも、オレの耳には最後までちゃんと届いた。この声の先で新開は、ほんのり頬を染め恥ずかしそうにしているのだろう。そう思うと、もう胸はキュンを通りこしてギュンとなる。
     ――くっそ、可愛い。つーか、いますぐ抱きしめてキスしてェ。
    「やすとも?」
     枕に顔を突っ伏し悶えるオレを、新開は不思議そうに呼ぶ。そりゃそうだ。見えてるわけじゃないんだから、急に相手が黙ったら誰でも不思議に思うだろう。
    「もしかして、引いた?」
    「はァ? なんでだヨ!」
    「だって、自分でもどうなんだって思うし」
    「だから、なにが?」
    「えっと、……なんか思考が乙女すぎねぇ」
     確かに、それは否定できない。でもオレはさっきまで、これに悶えてたわけで。つまりは可愛いからいいんだ。
    「べつにいいんじゃねェの」
    「え?」
    「一緒にいきてェんだろ」
    「うん」
    「なら今度そっち行った時、付き合ってやんヨ」
     何気ない風に言いっているけど、オレの顔はかなりニヤけている。本当に電話でよかった。
    「いいの?」
    「だァら、さっきからそう言ってんだろ」
    「……靖友、ありがと」
    「おう」
    「へへ、楽しみだな」
     ほわりと吐き出された声、同じように顔も綻んでいるんだろうな。次に会えるのは、まだまだ先。もちろん本音はいますぐにでも会いたい。けれど近くにいられないから、こんな小さな約束ひとつをお互い大切に出来るんじゃないか、そう思うことがある。
    「新開」
    「ん?」
    「……なんでもねェ」
    「えー、なにそれ! 気になる!」
     電話口でわーわー言い出した新開に、小さく笑いが漏れる。そうしてオレは音を出さずに唇だけを動かした。
     ――好きだぜ。
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    saku2442

    DOODLE大学生荒新
    お昼時にメッセージのやり取りをする荒新のお話。待宮さんも登場します。
    だって、君は特別。
     うどんを一口すすったところで、テーブルの上のスマホが震えた。すぐに止まったそれは、通知を知らせるためにピカピカ光る。箸を置き、代わりにそいつを手に持った。素早くロックを解除し、送り主を確認すると想像していたヤツからのメッセージ。
    『うまそうだろ!』
     その一言と共に送られてきた写真。そこには分厚いカツの乗ったカレーが写っていた。昼食にしては中々のボリュームだが、こいつなら平気で平らげるだろう。口いっぱいに頬張り、幸せそうに食べる姿を思い浮かべ自然と口元が緩む。
    『うまいからって早食いすんなよ』
     そう文字を打ち込んでから、テーブルへスマホを置き食事を再開させた。
     新開はこうして、自分の食べる物を撮ってよこすことがある。それ以外にも澄んだ青空、季節の花や路地裏の野良猫。何気ない日常を切り取ったようなそれらに、オレはいつも癒やされている。本音は恋人の写った写真の方がいい。けど自撮りが下手なこいつは、まともな写真をよこしたことがなかった。たまに福ちゃんが送ってくれる写真の方が、よっぽど上手く撮れている。
    2084

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