メッセージ初めてのメッセージ。
試合と試合の合間にブースでゲームしていたら、モニターに突然ウインドウが現れてゲームを台無しにされ、俺は叫んだ。
ハッカーってなんでも出来るのか、俺の端末や家のスマートスピーカーにもメッセージを寄越した。
内容は決まって試合のことで、最後はいつも
「俺は見ている。いつでもな」
で締め括られる。
普段は滅多に話しかけてこない癖に、試合中に起きた些細なミスや改善点を指摘して俺をイラつかせる。
「わかってんだよ!出来たら苦労しねー」
背後で機器のメンテナンスをする気配に大声をあげる。それをきっかけにあいつは振り返って俺のブースへ近づいて、言い争いのような、ほとんど口喧嘩同然の議論が始まる。
でも何故か、不思議と嫌な気分じゃなくて、俺はこの偏屈で神経質な男との会話を楽しんでいた。
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