2021.12.11「不死身の長兄」web拍手お礼画面② ヒュンケルが書斎で報告書を作成していると、不意に、その部屋の扉がノックされた。
ここは魔界に設けられた屋敷の一つ。
ヒュンケルは、数年前にこの屋敷と使用人たちを与えられた。そして、師でもあり上司でもあるミストバーンから指示された任務に当たる日々を送っていた。その任務の大半は、反乱の目を摘む鎮圧行為や、領内における領民同士のトラブルの制圧などであり、平時には、任された一軍の訓練を指揮するなどしていた。
この日もまた、ヒュンケルは、先日出向いた反乱の鎮圧について、報告書を作成していたところであった。
「入れ。」
ヒュンケルは、短く入室を許可した。
すると、そこには、彼の執事の姿があった。
「失礼いたします、ヒュンケル様。」
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