あかいいと綺麗にラッピングされた菓子の箱の上に貼られた値引きシールがクリスマスの終わりと年末を教えてくれる。丸くて黄金色をした美しい月の写真を撮って綺麗だと呟くのと同時に白い息が上がり、それが年内最後の満月だと知ってようやく寂しさを思い出した。スマートフォンの中に保存されている写真はいくらスクロールしても昨年にたどり着かない。忙しい案件の渦中にいるときはなんて長い一日だと嘆いていたが結局一年なんてあっという間だ。
年越しの準備など、郭嘉は一切していない。元よりそういった仕度は行って来なかったが今はやってくれる人がいる。せっせと身の回りの世話を焼いてくれるから今日もこうして慌てることなく、ただ暖かい部屋でぼんやり過ごせていた。
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