愛のあいさつ ウルマンから二体目となる仙霊を引き取ったのは、数日前に遡る。
ふよふよとしたゼリーのような透き通った球体は、パイモンと同じく空中を自由に動きまわっていた。エネルギーが不足していると存在が消えそうなほど霞んでしまっていたが、空が補給を手伝うと、ウルマンが集めている古鉄銭が埋もれた場所をいくつも探し当てては、不思議な鳴き声をあげて、空の周囲を得意げに飛び回っていた。
そうして過ごすうちウルマンが示す地図全てを探索し終えると、古鉄銭を集めてくれたお礼だと言って、特殊な瓶ごと仙霊を渡されたのである。
「今度の仙霊は緑色なんだね」
スメールの探索で共に行動していたアルベドが、空の周辺を漂う球体を目にすると「綺麗な色だね」と穏やかに微笑んだ。褒められた言葉がわかったのか、それともただの気分なのか、緑色はアルベドの頬に数回頬擦りをしてから、アルベドの肩口に落ち着いた。
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