過去何時間いや何日押し入れに閉じ込められたかわからない。幼い弟を一生懸命抱きしめながら震えるしかなかった。弟は弱っておりとても軽くて冷たい必死に乾いた口を開き何度も弟の名前を読んでいる。
『お兄ちゃんがあんな事したからだごめんねごめんねこんなお兄ちゃんでごめんね』
だが決して返事が変える事はない。寒くて暑い頭がぼーっとする僕はそのまま床に倒れ嘔吐した。怖くて止まらなくて少し血の味がした。
『う"ぇ"ぁ"っお母さんお母さん』
怖くて泣くことしかできなかった。早くお母さんに会いたい寂しくて仕方がなかった。
そのまま一日が経ちもう声を出す程の力はなかった。どうしてこんな事になったんだろなんで普通の家族になれなかったんだろう、そう思うことばかりだ。
次の瞬間大きな音がした。眩しい光が見えた
(あぁ僕は死んだのかな)
『酷い痩せ細ってる。急いで病院へ!』
それを最後に気を失った。
次目を覚ますと病院の中だった。話によると僕は三日も寝ていたらしい。周りの大人達はお母さんみたいな顔で僕に色々聞いてきた。それに僕はうんとしか答えれなかった。
『君も弟君も無事だよよくがんばった』
そう言われて強く抱きしめられた。僕は泣いた声が枯れるぐらい泣いた。
警察の人から聞いたが僕の母と父は行方不明らしい。だけど僕は必ず帰ってくると思っているそして今度は"普通の家族"として幸せになるんだと。