愛なぞ知らぬ信じていたのに。
自分でも滑稽で仕方がない。
信じたものに裏切られるのには慣れている。
ならされている。
諦めるのには慣れていた。それでも恋い焦がれていた。
お祖父様が亡くなって、少しずつ起こる変化に期待してしまった。
銀幕でしか見たことないけれど、好いた人と愛しあう世界。自由な世界。
信じてしまった。憧れに手を伸ばしてしまった。期待している、この人だったらと。
諦めることなんてできなかった。あなたが好き。
あなたが好き。私を見てほしい、その優しい目で、愛おしそうに。それだけでいい。
それだけがいい。
あなたの前では、私は初心で幼気な少女でいられるのです。
みんなが褒めてくれるのです。私の容姿を。
若くて可愛らしい、殿方は私の様な女が欲しいのでしょうあげます。全て。
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