【転生現パロ】ありのままの貴方の瞳 「ナスカ…?俺の顔をじっと見てどうした?何かついているか?」
「ううん…何もついていない」
「だったら…?」
「ナイヴスの目を見ていた」
「目…?」
「うん。生前…前世では、前の出会いでは…半分はナイヴスはそのままの目をしていたけれど、そのもう半分はエルと同じ色になっていたから。それが嫌だとか複雑とかは思っていなかったけど…ナイヴスを好きになって、想いを伝えられるようになってからはもう目の色は変わってしまっていたから、目に焼き付けておこうと思って」
「ナスカ…もう、目の色は変わらないぞ?」
「分かってる。でも、見ていたいの」
居心地が悪くも思いつつナスカにそう言われてしまえば嫌だと言うこともできずにナイヴスは頷いた。
「ナスカが楽しいならいいよ」
「いいの…?」
「ああ」
「ありがとう、ナイヴス。ねえ、隠している方の目も同じ色?」
「見てみるか?」
部屋の引き出しから取り出したヘアピンで髪を上げ止め、普段は晒していない片目をナスカのためだけにと見せた。
「…ナイヴスの目は綺麗ね、」
「そんなこと言うのはナスカくらいだ」
「そう?」
「そうだ。…まあ、こんな風に見せるのも君だけだが」
「…嬉しい、それは。とても」
そう言ってかあ、と頬を染めるナスカ。そんなナスカはじっと見ていたくなるような愛おしさを出していた。
「な、ナイヴス…?」
じっと見ていることが気になったのか、どうしたのと尋ねるようにナスカはナイヴスの方を向く。
「ん?」
「ど、どうしたの…?」
「いや、ナスカは可愛いなと思って」
「っ…な、ナイヴスはずるい…」
「そうやって照れるところもすごく可愛いって思うよ」
「……っ、ナイヴス!………ん、」
ちゅ、と唇を奪われたと思うときらきらと海色に輝く瞳が愛するように慈しむようにナスカを見つめそのまま手を握った。ドキドキ、と煩い心臓の音を聞きながらもナスカもそっと握り返す。
「…ナスカの目も綺麗だ。」
「…そんなの、初めて言われた。ソードにだって言われたこと、ない」
「言われてたらそれはそれで複雑だな…。というか、こういう時に他の男の名前を口に出すものじゃないぞ、ナスカ」
「…ヤキモチ?」
「そういうこと、」
ふっと笑って、ナスカも笑った。
「ナスカ、もっと目を見ていたくないか?俺も見たい」
「……目を開けているのは、恥ずかしい。ナイヴスは見るの好き?」
「…まあ、好きな方だな。ナスカがどんな顔しているのかが見れて可愛いし」
「…もう」
ぷう、と頬を膨らませながらもナイヴスをじっと見つめ唇を合わせた。
(やっぱり、ナイヴスの目は綺麗…)
その目にずっと見つめられていたい。ありのままのナイヴスとずっと一緒にいたい。今生もきっと――そうナスカは願いながら顔を寄せ、愛を確かめ合うようにこの行為に身を沈める。従兄妹のソードから過保護な電話がかかってくるまではまだまだ、時間があった。
-Fin-