寂しがり屋のうさぎ 「わ、かわいい!」
リビングのテレビにて動物特集を見ている凛は俺…――ではなくクッションを抱いて見ている。凛は動物が好きだ、だが普段はタマ右衛門がいるとかで大っぴらに見れないらしくタマ右衛門も、五右衛門も誉那も菊之助も今はいない。だからこそ見られるらしいが…正直二人っきりというこのシチュエーションで俺を放っておかれるのは…正直…いや、かなり……――おもしろくない。
「なぁ、お嬢。うさぎって寂しくなると、構ってもらえないと死ぬ動物って知ってる?」
「え、そうなの?」
驚きこっちを向く凛が可愛くて、俺の方を向いてくれたことが嬉しくて思わずにやけてしまいながら言葉を続ける。
「そうそう、だから俺も死んじゃうかも…あだっ」
ジト目の凛にデコピンされ思わず声を上げる。
「何馬鹿なこと言ってるのよ、もう死んでるでしょう」
「はは、そうだった…んー、だったら消滅?」
「写楽!」
「怒んなよ、ちょっとした戯言だろ?」
「冗談でも言っていいことと悪いことがーー…んっ!?」
怒った凛に口付けする深く、深く、流れ込んでくる熱が俺の居場所を思い出させる。
「しゃ、写楽!?」
顔を真っ赤にして口を開閉させてばかりの凛を抱き上げるとテレビを消す。
「じゃ、俺の部屋…行くか」
「行くって…え!?」
「構ってくれないとマジで消えるから、俺」
脅しのような響きをさせたような言葉だっだそれにぱちくりと凛は数回瞬きを繰り返すと困ったように笑い腕を俺の首の後ろへと回す。
「本当…困ったうさぎね、仕方がないから面倒を見てあげるわ」
返事の代わりに口付けをする。そして今日も夜まで俺たちは燃えるような熱を奪い合った。
-Fin-