ミラーリング #15-7「因縁の行方」 コンホヴォルは腕を組み、目の前に広がる敵の軍勢を眺めていた。
松明が星のようにきらめいていたが、丘の上から見下ろす敵兵たちの数は、想像していたよりも少なかった。
これも、あの子犬のおかげなのだろう。
「我が軍の準備は整いました」
そばに控えたコナルの声に、コンホヴォルはうなずいた。
平原から吹く風が、王の髪をなびかせる。伯父の落ち着いた表情の下に、熱く重い感情がめぐっているのを、コナルは感じた。
「敵の軍勢は大きく二つに分かれ、それぞれメイヴとフェルグス様が率いるようです」
「裏切り者に敬称は不要だ」
平坦な声に、コナルは慌てて顔を伏せた。
「は、はい。申し訳ございません」
「それにしても、アリルめ。あの腰抜け、決戦の時ですら、女の尻に敷かれているようだな」
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