つむ夏前提の俺×夏目「……どちら様かナ」
つい声をかけてしまった。昔、口に出すことすらできなかった呼び方で。
数週間しか見かけなかった、でも強烈に印象に残っている『彼女』。あの子が『彼』だと判明してもなお、ずっと心にちくちくとむず痒い感触が残っていた。
いつか会えたら良いなぁ、なんて。桜よりも淡い期待をしつつも、どこかで諦めていたのに。まさか、こんなところで会えるとは。なんて素晴らしい巡り合わせだろう。
「えぇっと……も、藻部もぶ太です! ダンス教室で一緒だった……」
「…………あァ、そういうことカ」
夏目ちゃん……じゃなくて、夏目くんはアイドルになったんだよな。占いもしてるんだっけ。
「それデ?」
「? はい?」
「何で呼び止めたノ?」
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