休日の姫君「ふふ、基絃。ありがとう」
隣で空色の髪を揺らしながら朗らかに笑う彼を見て、御法川は軽いため息を吐き出した。御法川の両手にはカラフルなアパレルショップの紙袋が、連なってぶら下がっている。
『今日お買い物に行きたいのだけど、付き合ってほしいの』
朝から彼、司にそう言われた時から嫌な予感はしていた。お買い物、だなんて可愛い言葉で済むはずがない、そもそも司がこの笑顔を浮かべている時はろくなことが起きない。そう思った時には手遅れだった。
半ば引きずられるようにしてロードナイト寮から引っ張り出され、流されるままに御法川は街へと繰り出すことになる。寮から出るときに見た後輩たちの視線を思い出すとまたため息が出そうになるのでやめた。
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