おまけ「………そう言えば聞きそびれていたんだが、おまえ、フローラとはどうなんだ?」
急になんだ?と言わんばかりに顔をしかめたアバンが、訝しげに答える。
「………国主と臣下ですけど」
「は?おまえ、王配になったとか、なる予定とかあるんじゃないのか?」
「えっ?なってませんけど!?なんでそんな話になるんです!?」
「いやだって、いつも女王の横に立ってるし、自然に皆敬意を表してるし」
「いやいや、元勇者とし て、ですよ?それだって身分不相応、過分すぎる待遇で…」
「そう思うなら、女王はおまえにそうなるよう望んでいるし、そういう対応をさせてるんじゃないのか?」
「………そう、なんでしょうか」
「俺が知るか。もっと近くにいるやつにでも聞いてこい」
本心からそう言って突き放すと、アバンはしばらく考え込む様子で黙った。それからおもむろに「あ!」と手を打つ。
「なんで急にそんなことを聞いてくるのかと思ったら……アナタ、ヤキモチ屋さんですね♡」
「んなっ!違うわっ!」
またぎゅうぎゅうと抱き締めてくるアバンを俺は必死に推しやりながら、逃げ出したのだった。
おわり