二回目温もりが逃げないように羽毛入りのキルトの外套で大切にその身をくるむ。
そして、細く小さくなった体を抱き上げた。
外套は二人でオーザム近辺を歩いたときに買ったものだ。寒冷地に強いドラゴンの体毛に埋まっているときには気が付かなかったが、普段通りの薄着に麻の外套でも問題はないだろうとたかを括っていた二人は、最北の地の横なぶりの風に寒い寒いと体を震わせながら急いで服屋へ駆け込んだ。
「思えば…この北の地に立ったときはいつも魔槍を纏っていたんだ…」
「そうか…」
「防御だけでなく温度管理までしてくれていたのだな、すごいな魔槍…」
「……」
「それを思うと、溶岩も熱いは熱かったが平気だったのも、もしかしたら側に在った魔剣のおかげだったのかもしれない。すごいな魔剣…」
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